【ネタバレあり】ついに時代が追いついた神ゲー ドラゴンクエストVIIのレビュー
早すぎたツンデレ、ところどころ鬱なストーリー、クソ長いプレイ時間。
そのゲームはあまりに時代を先取りしていた。だからこそ、令和の世にリイマジンドされ、時代がその神ゲーに追いついたのだ。
そのゲームの名は「ドラゴンクエストVII~エデンの戦士たち~」。名シリーズの第七作として、プレステ時代最終盤に発売された。私にとっては青春ともいえる傑作だ。
今回はこのゲームのレビューというか感想を書いていく。
語りだすと確実に止まらないので、今回は話題を絞る。テーマとしては「プレステ版と比較して何が変わり、時代に追いついたのか」とする。
先進的だったプレステ版との違い キャラ編
プレステ版が発売されたのは2000年。いわゆる「00年代」である。オタク文化的に言うと、ハルヒのアニメはまだ出ておらず、PCゲームで言うとFate/stay nightが2004年発売。ラノベで見ても灼眼のシャナですら2002年で、ゼロの使い魔でも2004年発売開始。
これらの今では古典といっても差し支えがないぐらいの作品よりも前に発売されたのがプレステ版である。
なにが言いたいかというと、ツンデレという文化がまだ世に浸透していなかった。下手すれば概念が確立されていたかも怪しい時代である。
そんな時代にプレステ版はマリベルとかいう時代を先取りしたツンデレを出していた。確かに彼女はほかのナンバリングタイトルのヒロインと比べて人気の面で後れをとった。しかし、ふとした時に出てくる一言に心を持っていかれたプレイヤーは多かっただろう。かく言う私もそうだ。
当時はただの暴言ヒロインという見方の方が主流であったが、今ではその人種には「ツンデレ」という呼び名がある。いい時代になったものだ。のちのち、YouTubeのドラクエ解説者はしっかりと評価していて、わかっている人間も「今思えばあれはツンデレだった」と思いいたるわけである。
それをリイマジンドは魅力を余すことなく伝える方に全力を注ぎ、さらに追加要素まで加えてきた。特に主人公とマリベルの馴れ初め話を追加し、主マリカップリングの解像度を上げた業績に関して、スクエニはノーベル平和賞を受賞されるべきである。おい世界、戦争してる場合じゃねえぞ。
ドールルックという表現方法も素晴らしい。表情や手、体の動きなどがしっかり描写され、細かい感情表現がなされている。マリベルだけでなく、ほかのキャラクターの解像度が上がり、愛着がわいた方も多かったことだろう。
特にガボはかわいかった。彼に何回泣かされたことか。しかもプレステ版からの追加要素によって泣かされるケースが多い。あの子はかわいい上にいい子なのだ。
キャラに関して言えば、大きな変更点としてキーファ関連の追加要素がある。小さなやつだとダーマ神殿の大神官ミレッカちゃんもあるが、ここではキーファに触れるのみにとどめる。
彼は世に言うタネ泥棒として名を馳せた、途中離脱キャラである。私は生粋の「キーファ=オルゴ・デミーラ説(詳細はググってくれ)」の信者で、その方が話的に面白かったと思っている。それは今でも変わらないが、それにしても今回の展開は激熱だった。別にこういうのは都合がよくていいだろう。創作なんだし。
もともと私はキーファに対してそこまで悪感情を持っていないし、正直言ってなんでみんなそこまで言うかな、て気持ちだった。まあもともとが親不孝者だから、あまりピンとこないのかもしれない。
それに対して、リイマジンドは「まあそれならわからんでもない」の答えを持ってきたと思う。これでも納得がいかないのなら個人的にどうすればいいのかと思う(多分より納得のいく答えを反映してしまうと、ドラクエVIIのシナリオはだいぶ変わっていただろう)。
その過程をしっかり描写して、まあ納得しきれないけれども、彼なりに理由があったんだな、という肉付けがされた。私はそれでいいと思う。なによりバーンズ王の言葉がよりいなくなったキーファに向けられ、彼のことを応援する印象があるのがよかった。
最善だったとは思わないが、人は何にでもなれる、ということを表したドラクエVIIにおいて、いい回答を出してきたのではないだろうか。
余談だが、私は種を終盤まで使わない派である。実は最初、種泥棒の意味があんまりよくわかってなかった。というかなんでそんな序盤で種を使うんだ。あれって最終盤に使うものじゃないのか。
話を戻すが、やはりドラクエVIIは「エデンの戦士たち」というサブタイトルの作品で、このリイマジンドはそのエデンの戦士たちにだいぶフォーカスした作りになっていたと思う。その点でこの改変は素晴らしいと評価したい。もちろん、アイラもメルビンも、そのほか登場するキャラクターたちも生きているな、とより思える作りだった。
ゲーム体験の短縮化
ドラクエVIIは普通にプレイすれば100時間かかるとされ、実際私もプレステ版で100時間以上かけてクリアした。おかげでRTAなんて考えたくない作品だった。
それがリイマジンドではどうだろうか。
まず、ダンジョン内の構造の短縮(特にラストダンジョン)、職業習熟度システムの短縮化と掛け持ち制度、大幅なストーリーカット(リートルードとかクレージュ、プロビナなど)が入った。
どれもいい塩梅だったと思う。モンスターの大量リストラはこのリイマジンドのなかでほぼ唯一の残念な点ではあったが、ほかの短縮により、だいぶ遊びやすくなった。おそらくRTAなら5時間ぐらいの作りになったのではないだろうか。
だれることなくプレイできる点は令和の世では必須条件。時代を先取りしすぎたドラクエVIIはそこにも適合してみせたのだ。この化学反応を神業と言わず、なんというのだろうか。今年のノーベル化学賞はスクエニに授与されるべきと言っても過言ではない。
まとめ
ドラクエVIIは私のなかでは青春の1ページを埋めた名作だ。それを令和に蘇らせ、しかも時代に適合させたスクエニはまだまだ捨てたもんじゃないな、と思う。おそらく私のなかでは断トツで一番の「リメイク」だ。ぜひともスクエニにはノーベル文化賞を授けてほしい。
おそらく私はドラクエVIIRのRTAもすると思う。できれば動画も撮って公開したい。それぐらいにドラクエVIIのストーリーは素晴らしい。考えさせられることが多い。リイマジンドはその必要な部分だけを抜き出し、再構成させた点で実に見事だった。これほど素晴らしい改変をさせることはなかなか難しいと言わざるを得ないだろう。
見事ドラクエVIIを蘇らせ、マリベルというクソかわいいヒロインを世に知らしめた功績は後世に語り継がれていくべきだろう。
ライター名「夜桜 ほとり」
バイオテクノロジー系の分野で大学院卒業後、何を血迷ったのかSEに転身。でもなんか違うと思い、競馬メディアの編集に。現在は編集を脱退、馬を中心としたフリーの物書きとして活動中。
明日からは普通に競馬ブログに戻ります。


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