【初心者向け】競馬の手引き〜馬券を語る〜
競馬の手引きもいよいよ最終弾。
第一弾が「魅力」
第二弾が「仕組み」
第三弾が「予想」
最後はやはり「馬券」である。
レースが競馬のスポーツ的側面、予想が知的ゲーム的な側面がある一方、競馬のギャンブル的な側面も触れないわけにはいかないだろう。
ただし人によってはギャンブルでなく投資と捉える方もいらっしゃるし、実際投資的側面も出せる分野だ。
しっかり取り扱っていきたい。
性格を自己分析
最初にことわっておくが、私の馬券は当たらない。当たらなくていいとすら思っている(厳密に言えば、短期間に何百回、何千回と当たる必要はないと思っている)。
毎回予想を出している人間がそんなこと言っていいのか、と思う方もいるだろうが、私はそういうスタンスで印を打ち、予想して、馬券を買い続けているのだから仕方ない。
いちいち当てたい人用にも予想印なんか出してられるか、て話である。
このように競馬予想では馬券に対して人の数だけ正解がある。別にどれが悪いということではないし、様々なスタイルがあっていいのだ。
そのスタイルに合うかは自分次第。ギャンブルは結構性格が出ると思うが、それに従ったスタイルで買うのがストレスなくてオススメだ。
当たっても外れても死ぬわけではあるまいし、好きに買って当たり外れを楽しんでしまおう。
オススメは2つ。
①とにかく当てたい人向き→本命党
人気サイドの馬を中心に買っていくスタイルで、1日にそれなりに的中を重ねていける。
馬券が当たるから楽しいという方はこちらを勧める。
ただし、的中した際の払戻はそこまで高くないので、買えば買うほどジリ貧になりやすい点は要注意。的中重視、回収軽視の考え方だ。
②ドカンとホームランを打ちたい人向き→穴党
人気薄の馬を買うことに誇りを持っているロマン砲。やり方次第では1日全タコも普通にありうる考え方だが、その分当たればでかい。
大きく当てて外れ続けた時の損失をもカバーする。的中率軽視、回収率重視の考え方だ。
私は断然②のスタイル。だから馬券は何回外したっていい。でかく当てて回収できればそれでいいという考え方だ。
別にどちらがいいというわけでもないが、長く当たらないことを受け入れられる方は②の穴党を強く勧める。
というのも①はかなりの精度を求められる傾向にあるからだ。初心者でこれをすると当たってもジリ貧になって負けるのがオチだ。
ただし、②のやり方も初心者には当たらないが続きすぎて競馬が面白くなくなってしまうかもしれない。
要はどれだけ気長に、そして不的中を受け入れられるかが大事になる。
その自己分析はやっておくに越したことはない。ぜひ自分がどっちのタイプかをよく考えてみてほしい。
馬券の種類と相場
WIN5とトリプル馬単、枠単は除くとする。
中央競馬には8種類の馬券がある。それぞれの的中条件をおさらいしておく。
【1頭だけを扱う馬券】
単勝:1着馬が合致
複勝:1~3着に入る馬が合致(頭数によっては2着まで)
【2頭を扱う馬券】
馬連:1、2着に入る馬2頭の組み合わせが合致
馬単:1、2着に入る馬2頭の順番が合致
ワイド:「1、2着」「1、3着」「2、3着」いずれかのパターンで、2頭の組み合わせが合致
枠連:1、2着に入る馬2頭の「枠の組み合わせ」が合致
【3頭を扱う馬券】
三連複:1~3着に入る馬3頭の組み合わせが合致
三連単:1~3着に入る馬3頭の順番が合致
もちろん扱う頭数が多い馬券ほど高配当になりやすく、的中難易度は高くなる傾向にある。
一番難しいとされる三連単の人気が非常に高く、売り上げの大部分を占めていることも覚えておきたい。
特に競馬では、馬券購入額の合計から「胴元」であるJRAがいくらかとって、残った金額から的中者に分配するという仕組み。
つまり売れているレース、馬券種が主戦場にした方が稼ぐチャンスはあり、しかもライバルが「胴元」ではなく「ほかの購入者」であることがわかる。
大衆の購入心理を見極めることも収支のカギとなる。
さて、各馬券種の平均配当も記しておく。
ここでは2023年1月~2025年12月の過去3年における、ワイドを除く券種の配当を記した。
全レース、10頭立て以下、16頭立てと3パターンで書いておいた(当然頭数によって配当が変わるからだ)。
そこそこのサンプル数があるので、ある程度は妥当な数字が出せていると思う。
馬券を買う時に、どれぐらいが相場かを考えるヒントにしてほしい。というか多くの馬券購入者は相場を知らないので、クソ低い配当の的中で満足していることが多い。言い方は悪いが、ああいうのは見ていて哀れだ。

たとえば単勝を買う時は、ある程度のオッズがないと買いづらい。三連複にしても20倍以下だと低めという感覚を持っておきたい。
スーパーで肉や野菜、ジュースを買う時でもある程度の相場を各人持っていると思うが、それと同じ感覚である。やはり馬券にも相場というものがある。
上の平均はその目安の一つだ。
買い方「流し、フォーメーション」について
マルチとボックスは初めのうちは覚えない方がいい。それに長くやってても4頭以上ではなかなか使わない。というか別の馬券で代用できる。
覚えるべきは「流し」と「フォーメーション」だ。
まずは「流し」について。
1頭、あるいは2頭の軸馬を決め、そこから相手として選んだ数頭への組み合わせをすべて購入する買い方。これが2頭以上を扱う馬券それぞれで使える。
例えば2頭を扱う馬単なら、1着に➂の馬を選択し、相手を①、④、➉、⑯とした時、➂→①、➂→④、➂→➉、➂→⑯の計4点(まとめて書くなら➂→①④➉⑯)を買うやり方である。
3頭を扱う三連単なら、軸が1頭の「1着流し」「2着流し」「3着流し」の3種類と、軸が2頭の「1、2着流し」「1、3着流し」「2、3着流し」の3種類、計6種類がある。
例えば「2、3着流し」を選ぶのであれば、2着に④1頭、3着に⑤1頭を選んだら、1着の候補を数頭選ぶやり方になる。相手が➂、⑧、⑫、⑮、⑱の5頭になるなら、➂⑧⑫⑮⑱→④→⑤という組み合わせで計5点となる。
ポイントは軸が着順に対して1頭だけで、相手は複数頭になる点だ。当然相手が多いほど点数が増える。
次にフォーメーション。
1着、2着(3頭を扱う三連系なら3着も)に入る馬をそれぞれ選択し、購入する買い方だ。
例えば馬連を買う時、1頭目の候補が①、➂、⑧、2頭目の候補が①、④、⑧、➈なら、表記的には①➂⑧-①④⑧➈となる。組み合わせは画像の通り9点だ。

1列あたりの点数が多くなればなるほど点数は増えるし、三連系の馬券ならさらに増えることは想像に難くない。
しかし、流しにしてもフォーメーションにしても点数が多そうに見えるかもしれないが、これでも選んだ馬のすべての組み合わせを買うボックスや、流しで選んだ馬を順不同にして買うマルチに比べればマシな方だ。
点数が無暗に増えるボックス、マルチは予想の放棄だし、それをするならもっと効率のいい方法があるので、個人的にはなしの意見だ。
ここまで話していた内容から、勘のいい方は気づけるはずだ。
「馬単の1着軸の全頭流し」って単勝と一緒では? とかね。
そう、馬券はほかの馬券と全く同じ意味になるケースが多々ある。これも触れておこう。
馬単 1着軸固定かつ全頭流し 例:「単勝➂」 = 「馬単 1着➂軸 → 全頭流し」
三連単 1着軸固定かつ全頭流し 例:「単勝④」 = 「三連単 1着④軸 → 全頭 → 全頭流し」
このように馬単だけでなく、三連単でも単勝と全く同じ意味の買い方ができる。
なぜこれを覚える必要があるかというと、収支をつきつめる際に、この比較が必要になってくるからだ。
18頭立てのレースで単勝を1点を買う時、それと全く同じ意味の三連単を買おうとすると、17×16=272点必要になる。1点100円からだから、最低27200円必要だ。そんなの毎回買ってられるなら我々は弱小市民ではない。
そもそもその三連単27200円を買うより、同じ金額で単勝を1点買う方が、意味合いは全く同じなのに普通に儲かるケースが多い。
こういうケースを考えるのに、今自分が買おうとしている馬券をもっと効率よく買うにはどうしたらいいか、知っておいた方がいい。じゃないと損するから。
特に三連系はよく考えた方がいい。
「三連単の1、2着固定、全流し」なら、「馬単1、2着」1点で済ませるとか。なんなら全流しでなく、5~10点でも、意外に馬単1点の方が儲かるケースだってあるし、馬単にしていたことで三連単ではカバーできなかった面を少点数かつ少ない予算でカバーできたりする。
イメージとしてはこう。
1着②、2着④と予想していた場合、
馬単なら②→④の1点 例えば70倍とする
三連単なら②→④→全 最大16点 平均オッズが1000倍とする(実際は低いオッズから高いオッズまで混在)。
【全流しで買うことを想定】
馬単を1600円購入すると、予想払戻しは1600×70=112,000円
三連単を1600円(1点100円)購入すると、予想払戻しは100×1000=100,000円
同額なのに馬単の方が得(数字はいじったが、実際にこういったことがかなりの頻度で起こりうる)
【5点に絞って買うことを想定】
馬単を500円購入すると、予想払戻しは500×70=35,000円
三連単を500円購入(1点100円)購入すると、予想払戻しは100×1000=100,000円
この場合なら三連単が得。ただし、全と比べて不的中のリスクはある。
一方、馬単は三連単より儲からないものの、全流しと同じ意味合いなのは変わらないため、三連単が外れても馬単は当たる可能性が残る。つまり一長一短。
単勝、馬単、三連単の関係性は絶対に覚えておいた方がいい。特に予算が少ない人間は無理に三連単で多点数を買わずに馬単や単勝でフォローする手段も考えた方がいい。
三連単なら1000円買わないと実現できないことが、馬単なら500円とかで済むと思えれば、買いやすくはならないだろうか?
ほか、複勝も同様。複勝はワイド1頭軸全流しや、三連複1頭軸全流しと同じ。逆に三連複のフォーメーションはワイドに変換できたりする。実はそっちを買う方が儲かっているケースも多々ある。こちらもイメージを書いておく。
三連複フォーメーション➂-②④-①⑥⑧⑪⑮ 計10点
これは、
(1)ワイドフォーメーション➂-②④ 計2点
あるいは
(2)ワイドフォーメーション➂-①⑥⑧⑪⑮ 計5点
これらに変換可能。
ワイドにはない「残り1列」が全流しの意味に変わるから、より少ない点数でより広い決まり方に対応可能(ただし配当は低くなる)
三連複→ワイドに変換した際、配当が低くなるのは欠点だが、少点数になった分資金をそこに注ぎこめるので、いくらかカバーできたりする。
私はこの原理を使って、よくワイド1点や2点で買っているし、それで高配当を取ってきた。
ワイド1、2点を絞りすぎという人間はいるが、私から言わせてもらえれば上のイメージの通り、三連複を1頭-2頭-5頭のフォーメーションで買う人間がそれを言ったら、自分の買い方を理解できてないしダメでは? て感じである。実際はほぼ同じことしてるし、なんならそれを広げた形がワイド1、2点なのにね。
そこそこ競馬をやっている方でもここを理解していない方が非常に多いので、覚えておきたいところだ。
ほかにも同じ意味合いになる買い方はいくつかあるが、これは新しく馬券特集的な記事を各券種で書いていけたらと思っているので、その時に話したい。
結局買うべき馬券は?
ごちゃごちゃ色々言ったが、結論から言うと、買うのは好きな券種でいい。三連単でも枠連でも好きな券種を買えばいい。
確かに上手い人ほど自分の馬券の型みたいなものを持っているが、それが毎回最適でもない。状況や自分の予想に応じて、取るべき券種は変わったりするのだ。
ちなみに私はありふれた単複(軸馬の単勝と複勝を買うスタイル)から派生して、単勝1点、ワイド1、2点の組み合わせをメインに使っている。しかも穴党のため、10番人気以下の馬を中心にするのでまあ当たらない。ただし当たる時はワイド40~100倍とかが的中するし、その1点に300~500円突っ込んでいるので払戻はそこそこある。
穴馬の指名精度と軸馬選びの精度に自信があるなら、こういうやり方もありだろう。的中率10%程度でもなんとかやれる。毎回1000円投資でも、10回に1回の当たりで10000円返ってくればいいのだ。不的中になんとも思わないなら、こういう設計で馬券を買い続ける考え方だってありだ。
ただし、そういう考え方もろくにないのであれば、最初は単勝から考えるのがオススメだ。
すべての馬券は複勝にしろワイドにしろ、勝馬の予想が非常に大事だからだ。単勝はその勝ち馬がなにかさえ予想できれば当たる馬券なので、シンプルかつ必要なことが学べる点で優秀だ。
まずはどういう馬が勝つのかを見極めるのが大事。そして何より応援したい馬がいる時、その馬の勝利を願わないで何が競馬なのか。
というわけでまずは単勝を買おう。買って、すべての馬券の基礎を学ぼう。
単勝だけだと全然当たらないという方は多いだろう。惜しくも2着を量産することも多いはずだ。
そもそも1番人気の勝率でも約33.3%。仮にここを買い続けても理論上3回に1回の的中だ。(あくまで私の意見だが)はっきり言って、その頻度も受け入れられない方は馬券買わない方がいいのでは感がすごいが、2回に1回は当てたい人の方が多いのも事実だろう。
それなら、単勝を買った馬の複勝も買えばいい。まあ当たっても全然返ってこないものだが。かく言う私でも複勝の最高払戻しは27倍とかだったりする。いやもっと上もあったか? 最近はワイドにしてばっかなので複勝のオッズをそこまで確認していないのだ。
とりあえず買いたい馬1頭の単勝と複勝を買う。まずはこれを基本にしたらいい。
複数の馬を買いたくなったら?
そのうち1レースに3頭も4頭も買いたくなってくるだろう。その時の方針をここに示す。あくまで初心者向けの考え方で、ほかにもいい手はあるだろう。それは自分で探していこう。
1頭 → 単勝と複勝のセット(いわゆる単複、応援馬券)
2頭 → ①2頭の単勝、計2点 ②より勝ちそうな馬の単勝と、2頭の馬連とワイド1点ずつ、計3点
3頭 → ①3頭の単勝、計3点 ②3頭の馬連ボックス(3点だけなら許容範囲) ②1番勝ちそうな馬を1頭選びその単勝と、残り2頭への馬連orワイド。計3点
できるだけ点数を少なくすることを重視した方がいい。点数を増やして当たっても払戻が少なくてやってられないからだ。
軸、相手候補が4頭以上なら多すぎ。そもそも競馬の馬券圏内は原則3頭までだからだ。4頭以上だと定員オーバーとなる。考え直すか絞れ。
それと、軸、相手、流し先はわけて考えた方がいい。
軸:今回のレースで勝ち負けする馬。
相手:人によって定義が異なる。多くの場合は高確率で馬券に絡む馬が選ばれる。私のような穴党だと穴馬になるケースもある。
流し先:軸、相手以外で馬券に絡む可能性がある馬。ここは何頭になってもいい。
もし考えている4頭ないし、5頭以上のうち、とりあえず買っときたいタイプの馬が含まれるなら流し先に入れるのがオススメだ。
軸は1頭。相手は多くて2頭まで。流し先は入れれるだけ。これが理想の形だと思う。
こうなっていれば、三連系でも1頭-2頭-全みたいなフォーメーションで、比較的無理のない馬券が組めるはずだ。
まずは自分がなんでその馬を買いたいのか、よく考えた方がいい。そしてその馬が何着に入りそうなのかまで考えた方がいい。そうすれば少しずつでも迷いは減っていくはずだ。
ここまでに話した内容はあくまで私のなかでの正解の一つ。もちろん人の数だけ自分に合った買い方があるはずだ。それを試行錯誤しながら考えていき、どこかで自分のスタイルを確立できれば、馬券ライフも楽しいものになるだろう。
最後に
馬券に関して書いた競馬本はとにかく少ない。なぜなら全然需要がない、というか自分に必要であることにすら気づいていない自称競馬できる人間(笑)があまりにも多すぎるからだ。
本来必要なのにそこに気づくことすらできない人間が多い以上、需要が生まれることはない。
個人的に、収支を重視していく方針なら馬券の買い方研究は絶対にした方がいい。いくら予想が上手くても、馬券の買い方が適切でなければ収支に反映できないからだ。
もちろん予想も大事だが、そんなもんは自分でできればいいし、多少下手でも最近は上手い予想家がそこら中にいる。個人的には推奨しないが、丸パクリするのも手だろう。
でも馬券の買い方、考え方をしっかりしている人は予想家の数と比べてあまりに少ない。ギタリストとベーシストの比率並に格差が激しい。確実にほかの予想家と差をつけられるし、プロより上手い買い方も可能なので、よく研究することを強くオススメする。
高名な予想家ほど馬券の買い方がクソ下手なのはありがち。当たっててもそれ単勝でよくね? みたいなのも実際かなり多い。そうならないために馬券の買い方はよく研究したいものだ。
ここまで競馬の手引きという名目で、「魅力」「仕組み」「予想」「馬券」の4つのアプローチから語った。
これらがあって、初心者は競馬に入れると私は思う。
私が初めて競馬をやり始めたときはこういう手引きが一切なかったので、大体自分で考えながらなんとかしてきた。時に競馬本を読んだり、自分で試行錯誤したり。
ここで語ってないノウハウなんかいくらでもあるのだが、それは割愛。競馬予想のやり方一つとっても何本も記事が書けるような領域なのだ。おいおい挙げていく記事を読みながら考えていくのがいいと思う。
というわけで今回の手引きはここまで。だいぶ長い記事が続いたが、競馬を愛するすべての人に役立てば幸いだ。
ライター名「夜桜 ほとり」
バイオテクノロジー系の分野で大学院卒業後、何を血迷ったのかSEに転身。でもなんか違うと思い、競馬メディアの編集に。現在は編集を脱退、馬を中心としたフリーの物書きとして活動中。
※当サイトの記事で書かれている予想は、的中を保証するものでもありません。馬券は自己責任でお願いいたします。
今回の記事を書いていて、今後は各券種の考え方や、予想印の理論などを書いた方がいいのかな、と思うなどした。これらはおいおいやっていければと思う。


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