【2021年ジャパンカップ予想】枠とゲートと出遅れの話。

競馬ジャパンカップ予想

 こんにちは。こんばんは。夜桜という者です。
 今回はジャパンカップの展望ということで、例によって例のごとく色々書いていこうと思います。

 いつも通りコラム的なお話もあります。
 やっぱりそんなもんいらん! という方は下の目次からお好きな項へ、振り切ってジャンプ―してください笑



ジャパンカップ予想印

 長話の前に、今回も予想印から。

◎ コントレイル
〇 アリストテレス
▲ キセキ
△ シャフリヤール、オーソリティ、マカヒキ、シャドウディーヴァ、ブルーム

◎ 本命(単勝軸)
〇 対抗(今回は2, 3着軸)
▲ 穴。評価としては〇と同等で、複勝系穴
△ 紐

 現状はこのような形です。
 枠が出ないことにはなんとも言えないですが、今のところはコントレイル頭固定の3連単を打つことになるかな、と思っています。

 珍しく対抗まで出していますが、今回は結構先行勢に向いたペースになりそうな予感がしているからです。
 なにしろ今回のメンバー、明確に逃げそうな子がいませんものね。
 いいとこキセキぐらいのものではないでしょうか。

 また、後ろからになりそうな子も多そうです。となると、やはり先行競馬が得意な子が有利かな、と思い、先行競馬が得意な横山武Jに乘り替わり、距離も問題なしのアリストテレスが対抗かな、と思った次第です。
 唯一問題なのは、この子、あまり上りがないことですね。横山武Jがうまいこと前に押し出していってくれれば、と思います。

 枠次第では、東京で好相性、上りもそこそこでルメールJが騎乗のオーソリティを対抗にするのもいいのですが、個人的にこの馬はあまり強いと思ってないので、推せないな、という印象です。
 
 なんにせよ、各馬の枠順は大事なポイントになる予感がしています。もちろんコントレイルもそうなんですけど(2021/11/25枠順発表前時点)。
 というわけで今回のコラムは、枠とゲートと出遅れに関するものを、用意しました。


 

枠とゲートと出遅れの話

枠の話
 私が尊敬する競馬関係者に、治郎丸敬之氏という方がいらっしゃいます。
 かのお方は、競馬雑誌Gallopにて競馬のコラムを毎週寄稿されています。
 私がこのブログで、需要があるのかどうかもよくわからんコラムを書いているのも、少なからず氏の影響がありますね笑

 そんな方がある時おっしゃっていたのですが、現代の日本競馬はポジション取りゲームだ、とのこと。
 いわゆる勝てるポジションを取り、そこを通ってきた馬が勝つのだそうです。
 実際競馬には勝てるポジションがあり、騎手の方々もレース後のコメントで「勝馬の位置がほしかった」とよく話しておられます。全騎手のコメントを見るような方なら、一度ぐらいは見たことがあるのではないでしょうか。

 特に東京芝2400mにはその勝てるポジションが明確に存在し、歴代ダービーを勝った馬達も、そのポジションをとって勝っているケースが多いです。

 そのポジションとは、内の2, 3番手です。

 ここを取れればコーナリングのロスが抑えられ、スタミナも浪費しない
 そして最後の直線で追い出して、ためていた脚を繰り出せば勝てる
 こういうわけです。

 ダービーで最内枠を引いた馬が強い(最も運がいい)のも、この勝てるポジションを取りやすい枠だから、というのも理由の1つです。
 そして今回もおそらく、そのポジションを取るための争いが水面下で繰り広げられることになるでしょう。

 ただ、いい枠を引ければそのまま勝ちに直結するわけではないのは、皆さんも知っているはずです。

 当然ゲートの上手さ二の足がつくか、といった要素が重要になってきます。
 これらを併せ持っていないと、いくら最内枠という絶好枠を引いたところで、勝てるポジションにつけません。というか場合によっては内側の最後方という勝負しづらい位置に入りかねません。
 前述で各馬の枠順がポイントになると書いたのはそういうわけです。


ゲートと出遅れの話
 皆様もよくご存知かと思いますが、ゴールドシップという名馬の中の名馬がいました。
 彼は厩務員の今波氏をして、少し気位の高い人だと思っていないとダメ、と言わしめるほど、気まぐれな気性を持った馬でした。

 そしてかの有名な宝塚記念の120億円事件のように、出遅れたり、行き足がつかないのは日常茶飯事
 まあ彼のような馬が東京芝2400mで仮に内枠を引けても、うまいこといいポジションにつくとは考えづらいですね。……いや、彼ぐらい賢かったら、もしかしたらこのコースは内側を走った方が楽だぞと気づいて、案外ちゃんと前に行ってくれるかもしれませんが笑

 なんにせよ、ゲートがいい、かつ二の足がつき、上手いことポジションをとっていける、という要素が非常に大事になってくるレースです。
 ゴールドシップのような馬はあまり買いたくないところですね。

 そう思っていたら、ちょうどそのゴールドシップの娘が今回出走予定ですね。
 はい、ユーバーレーベンですね。

 私が今回彼女に印をつけてないのには、4つの理由があります。
 1つは、行き足がつかないタイプだから。やはり遺伝なのでしょうかね。前走もそうですが、その前までに走ってきたレースを見ても、スタートしてからのダッシュがあまりついていないように見えます。これではポジションを取る以前の問題でしょうね。
 2つ目は、鞍上がデムーロJだから。何度かお話していますが、この騎手は出遅れることで有名です。そんな彼が、元からスタートが上手くない同馬に乗るとなると、ますますいいポジションを取れるイメージがつきません。
 3つ目の理由は、以上の2点の理由から後ろからの競馬を余儀なくされ、差しまたは追い込み競馬をする羽目になることが容易に想像できるからです。実際この馬はそのパターンばかりです。うまいこと差しが決まるような展開になればいいですが、今回予想されるペースはスローです。果たして後ろからの競馬が通用するでしょうか。
 そして4つ目は、彼女自身の状態面の考慮です。もともと秋華賞では急仕上げでの出走で大敗を喫しました。よって前走は度外視していいのですが、今回その状態がどこまで上がっているのかも予想がつきません。低調のままでも不思議はないでしょう。

 これらの理由を考えると、おいそれと印は打てないな、と思っています。
 まあ、前回グランアレグリアの不安要素を並びたてつつ盛大に外した私ですので杞憂かもしれませんけどね笑

 そもそもスローになるかもわかりません。唐突に逃げだす馬がいてハイペースになり、上手いこと進路が開けばチャンスが出てくる1頭だと思いますよ。斤量も軽いですからその分は有利ですし、もしかしたらスタートも何から何までうまくいくかもしれません。

 競馬は何が起こるかわからない。
 ただ、私は可能性が低いことにはあまりベットしたくないですね。

 また、ゲートという意味では不安を抱える馬がまだまだいますね。
 特にコントレイルはなかなか気になるところです。
 レースをする毎にゲートが悪くなっていると聞いていますし、前走の天皇賞秋でもゲート内での様子がおかしかった。あのレースのリプレイを見ればわかりますが、スタート時のコントレイル、バランス崩しているんですよね。ですがあれは、福永Jのファインプレーで最小限のロスで済みました

 あの、ゲートに関してはおそらく日本で1番の騎手であれなんですから、相当です。1枠1番は内のポジションを取ることに関しては絶好の枠であるものの、枠に入ってから1番待たされる枠でもあるので諸刃の剣です。
 まあコントレイルに関しては、内側の偶数枠に入るのが理想的でしょうね
 また1枠1番になると割引です。厩舎コメントによると、一応ゲートの練習はずっとやっているみたいですけどね。見事に1枠2番という最高の枠順を引きました。これが最も運がいい馬が勝つダービーを制覇した馬の力ですかね。素晴らしすぎる。

 他にもキセキですかね。最近はすんなりゲートから出ますが、もともと出遅れが目立っていた馬。
 思い出したように出遅れても不思議はないので、買う時はそこも留意する必要がある1頭でしょう。

 現代日本競馬がポジション取りゲームである以上、スタートは非常に重要です。
 スタートが悪ければ、後々にまで響いてきます。ハナ差クビ差が当たり前の世界なんですから、敏感になっておくべきでしょうね。

 追い込みの馬は大外枠ならまだ被害は少ないんですが、今回みたいなスローの可能性が比較的高いレースでの出遅れは結構致命的になるでしょうね。スローだと馬群が詰まって、後ろからの馬は大外を回る羽目になるケースが多いので。これは非常に大きなロスになります。だから今回は、余計に追い込み系の馬に手を出しづらいんですよね……。

 というわけで、枠とゲートと出遅れの話でした。
 思ったより本格的な話になりましたが、我ながら、考慮するべき内容だったのではないでしょうか。

 ちなみに、先ほど公開された枠順は、以下のような感じです。

 https://race.netkeiba.com/race/shutuba.html?race_id=202105050812

 見るからに、コントレイル、ブルーム、シャフリヤール辺りが、キセキとかオーソリティとかの後ろをめぐってバチバチに争いそうな気配がありますね。内枠のポジション争いが今回の見所となりそうです。


有力各馬の話

 さすがに全馬をカバーするのはきつい(特に海外馬は改めてレースを振り返るのは難しい)ので、有力どころだけをカバーしようと思います。
 大体想定人気順で。

コントレイル
 ここを目標にされて調整されてきた、今回の目玉。手負いの三冠馬という恰好ではあるものの、実力に関しては天皇賞秋で示しており、強いのは明らか。ここで三冠馬としての意地を見せて、グランアレグリアと同じく有終の美を飾ってほしいところ。
 弱点は3つ。
 1つ目は、湿った馬場に強くないこと。大阪杯でも証明されてますね。実際稍重馬場だった皐月賞のレースを見てても、嫌がっている素振りがありました。おそらく今回は良馬場でしょうから、ここは問題ないかと。
 2つ目は、前述のゲート。これはもう省きますね。とにかく内めの偶数番を引け引きました。神かよ
 3つ目は、やや適性距離から長いこと。若干マイル体形にも見えるんですよね。もしこのメンツに負けるのであれば、おそらく距離と、内枠でのポジション争いでの消耗が敗因になるでしょうね。実際前走も、それで消耗したところがありますし。


シャフリヤール
 今年のダービー馬。ただ、前走は圧倒的人気を背負っていたにも関わらず、不良馬場に泣かされ4着と敗北。
 鞍上は毎日杯でレコード勝ちした時と同じく川田Jになりますが、この馬がベストパフォーマンスを見せるのは、ダービーの時のような差し気味の競馬。つまり川田Jと若干手が合ってないようにも感じます。
 また神戸新聞杯を走ったメンバーはその後凡走しており、相当消耗したレースだったと思われます。
 この子も最後は消耗を抑えたとはいえ、2か月で回復しているのかは微妙なところ。精神面で不安を感じるため、私は紐までとしました。
 ですが先ほど見た枠順(2枠4番)を見るに、外すのは難しくなりましたね。やはりこの馬もダービー馬です


オーソリティ
 コントレイル世代の牡馬その1。前走はアルゼンチン共和国杯で圧勝。
 ただ、戦った相手がそこまで強くないので好内容とは思えず、レース間隔が短いのも考え物。
 ルメールJだし、上りもあるし、東京得意そうなので抑えるのは確定。枠によっては評価を下げる予定でした。ですが今回は4枠7番。大外なら割り引いたのですがこの位置なら、という気がしますね。
 やはりレース間隔が難点なので、当日パドックでの気配を見つつ勘案することになるでしょう。


ユーバーレーベン
 今年のオークス馬。もう買わない理由を前述したので省略します。
 枠順は結局7枠14番。位置は悪くないのではないでしょうか。追い込みが決まる展開なら、来ても不思議はないかと思います。


アリストテレス
 コントレイル世代の牡馬その2。前走の京都大賞典では勝ったかと思いきや、マカヒキに全部持ってかれてしまった悲運の子。春はAJCCでのダメージを引きずりつつ走っていたため、春シーズンの大敗は全て度外視できると思ってます。また、個人的にはこの子の長距離はもう一度試してほしい
 鞍上が先行上手の横山武Jに替わるのも+です。叩いての上積みを考えても、絶好の位置ではないでしょうか。
 さらに枠も5枠9番とそこそこのところをドロー。内側がバチバチにやりあいそうなので、それに巻きこまれて外側にはじかれる可能性はありますが、好枠ではと思われます。スローで前有利になればチャンスのある1頭だと思われます。


キセキ
 4年前の菊花賞馬。ただしそれ以来勝ち星に恵まれない子。ジャパンカップになると毎回逃げているイメージがありますが、今回もメンバー的に誰も逃げないなら逃げることになりそう
 前走の京都大賞典では外枠から発走し、そのまま外々を回るロスをしながらも踏ん張った3着で実力は示しています。しかも前走はなんとか間に合わせた形だった分、今回は上積みも見こめそう。前に行ってスローなら残れる可能性はあり、抑えておきたい穴候補。枠も3枠5番と位置的にはそこそこ。奇数番なので、待たされるのがマイナス点でしょうか。


マカヒキ
 サトノダイヤモンド世代のダービー馬。つまり5年前。前走ではついにニエル賞以来の勝ち星で我々の涙腺を刺激しました笑
 私が競馬を始めたのは彼らが全盛期だった時期。やはり思い出深いので贔屓したくはありますが、ここは紐まで。実際馬は一生懸命走りますし、差しが届くなら可能性がある子。しかもこの子、2400m戦は3, 0, 0, 4と案外成績いいんです。枠は外の7枠15番できついので外す候補筆頭ではありますが、たとえ馬券から外しても応援したいですね。
 ちなみに前日のキャピタルS(東京芝1600m)で、全弟のウーリリが出走予定なので、ある程度東京の芝に合っているかの物差しはつくかもしれません。


シャドウディーヴァ
 前走でついに重賞・府中牝馬Sを勝った子。ほぼ勝ちパターンに入っていたアンドラステを見事差し切った末脚には目を見張るものがありました。差しが届くならこの子にもチャンスはありそうということで、今回も抑えたいところです。やや800mの距離延長がどうかというところがありますが、名手横山典Jが上手いこと抑えてくれるでしょう。枠が若干外(6枠11番)に行きましたが、穴候補の1頭になるのではないでしょうか。


サンレイポケット
 前走はあの天皇賞秋で3強の後塵を拝する4着。あの怪物達を相手に4着なら大したものですし、人馬ともにいいレースをしていました。ただ、前回が最高仕上げだった分、上積みが見こめません。また、今シーズン3走目というのもマイナス。来ても不思議はないですが、来たら仕方ないということで私は馬券から外す予定です。今回は少点数3連単にこだわりたいので、いたずらに買い目増やしたくないという事情もあります。
 というわけで、また休み明けの2走目とかで買いたい馬ですね。


ワグネリアン
 3年前のダービー馬。大外8枠17番を引いて運がないダービー馬だな、という感がぬぐえませんが、実はダービーを勝った時と同じ馬番号です。何か縁を感じますね。
 ちなみにダービーを勝った時も、外枠から積極的に前に行って押し切ったという内容。今回スローでしょうから、好位につけるならワンチャンありますし、前走がマイル競走だったため、前に行こうとはするんじゃないでしょうか。外枠の戸崎Jというのも気になりますし、もしかするともしかする1頭かも。
 当日の外馬場が内よりも伸びてくるようであれば、考慮するかもしれません。



 以上各馬の話でした。他のお馬さんに関してはごめんなさい、あまり確認していないです。が、おそらくこのメンバーが相手だと少し苦しいかな、という見立てです。
 外国馬に関しては単純に振り返れないだけで、ブルームはチャンスあると思いますが……。

 それにしてもメンバー的には、
 
 コントレイル vs 各世代のダービー馬 vs 海外強豪馬 vs コントレイル世代の牡馬

 みたいな構図で面白そう。
 しかも強豪達が内枠にだいぶ入りましたからね。この時点で割と固い決着になりそうな気はしますが、その分見ごたえのあるレースにもなりそう。
 今から楽しみですね!

 そんな国際G1・ジャパンカップは、11/28 15:40から!
 いつもと違って、『12R』なので、馬券購入の際は要注意です

 三冠馬の引退レースを見逃すな!

 by 京都2歳Sの予想をまだろくにしていない、夜桜 ほとり(2021/11/25)