【高松宮記念 展望】気をつけたい「電撃戦」のギャップと今年の馬場

競馬競馬,高松宮記念

電撃の6ハロン戦とは、つくづくセンセーショナルな表現だと思う。この一言だけで、1200mのGⅠは速い、と一瞬でイメージづくのだから。

高松宮記念とはこのイメージとのギャップをどう捉えるかを考えるレースと言ってもいい。

何の話かピンとこない方には、過去10年のスプリントGⅠの優勝馬を見ていただきたい。

とにかく様々な名前が並ぶ。理由を一言で挙げるなら、「高松宮記念はパワー型、スプリンターズSはスピード型に偏りやすい」からだろう。

開催時期を考えても、高松宮記念は3月の中京開催で雨に当たりやすい。スプリンターズSは最終週とは言え馬場が回復しやすい9月末。時計の出やすさが全然違うのだ。

ここが、スプリントGⅠを難しくしている要素でもある。高松宮記念が荒れやすいのも「電撃の6ハロン戦」より「遅い」点が多分に関わっていると思う。要はスピードが足りないスプリンターにチャンスが生まれるのだ。

もちろん馬場だけでなく、コース形状もだいぶ違う(回り、上り坂の位置、序盤の下りの落差、直線の長さ)点も関わっているはずだが。

ファインニードルは春秋制覇を達成しているが、この年のスプリンターズSは稍重、高松宮記念は良馬場開催。どちらも1分8秒台での決着だった。ギャップが埋められた年とも言える。

その前のロードカナロアも13年に春秋制覇を果たしたが、その年の高松宮記念は良馬場で1分8秒台と当時にしてはそこそこの速さ。ここもギャップが埋められていた。

しかしその前の12年はスプリンターズSを制していたものの、高松宮記念は3着1分10秒台と良馬場でも時計がかかる状況だった。つまりギャップがあったのだ。

まとめると、

2つのスプリントGⅠの特徴

高松宮記念

・パワー型のレースになりやすい

・雨などの理由で時計がかかる

 →1200m戦のイメージと異なる

 →スピードの要求値が低くなり、遅いスプリンターが台頭 

 →イメージとのギャップが生まれ、荒れる要因

 

スプリンターズS

・スピード型のレースになりやすい

・時期的に馬場が最高に近い状態

・遅いスプリンターは淘汰される

こういう構造と捉える必要がある。

逆に言えば、高松宮記念開催時、スピード型に寄った馬場であれば、遅いスプリンターは淘汰されやすく荒れにくくなる、という話でもある。

ポイントは馬場。なんなら時計の出方。今年の状況はどうかと言われれば、ファルコンS、愛知杯を見ていた方ならお気付きだろうが、とにかく速い。1400mで1分20秒を切ってる時点で普通に速い。

今週も雨が降るので断言はできないし、当日までわからないが、今年は「速い」高松宮記念に当たる可能性が高い状況にある。

展望段階ではどの馬がいいか、という話は難しい。これもスプリンター路線の難しい点だが、強豪が多すぎて選びづらいのだ。

ただ、「スプリントGⅠのギャップ」が小さい年ということは、馬券購入者は普通にスピードが速い馬を買ってそのまま決着し、人気サイドの馬券が的中になりやすい、ということである。

穴党の私からするとあまり歓迎ではない年になりそうだ。いい具合にスピード型の穴馬がいればいいのだが。

 

ライター名「夜桜 ほとり」

バイオテクノロジー系の分野で大学院卒業後、何を血迷ったのかSEに転身。でもなんか違うと思い、競馬メディアの編集に。現在は編集を脱退、馬を中心としたフリーの物書きとして活動中。

今週はマーチSが旨味に見える。楽しみ。レースとしては土日合わせて5つのみと、狙いを絞る予定。たまにはゆっくりした休みを満喫したいと思っている。