「なんでその穴馬拾えるの?」がわからない 穴党の考え方の一例

競馬

今年に入ってから穴馬が好走している印象がある。

しかし、成績的には2025年と大きな差はない。別に異常事態というほどではない。

ちなみに10番人気以下の馬が馬券に絡む頻度としては、今年は全312レース中62レースで、約20%ある(分母に9頭以下のレースがあるので、実際はもう少し確率が高い)。昨年も確率は同じぐらいで、想像以上に出現率が高い。

今年は10番人気以下の馬がすでに74頭馬券に絡んでいるが、私はうち4頭を馬券にしている。これを多いと見るか少ないと見るかは微妙なところだが、知り合いには「なんでその人気の穴馬拾えるの?」とよく聞かれる。

個人的にはその言葉自体の意味がわからない。

なぜなら、私は走りそうな馬を選んでいるだけで、穴馬を拾っている意識がないからだ。買った馬がよくわからんけど人気がないだけ。むしろ拾えない方が意味わからない

多分ここには大きな認識の相違があり、そこが穴馬を「拾える」「拾えない」の差になっていると思う。今回はその手掛かりになりそうな観点を紹介していく。

目次

・馬はみんな頑張ってる。頑張ってない馬もいるけど

・「人気」の取り扱い方

・「競馬の仕組み」と「着順」

・得意不得意とリピーターの話

・穴馬狙いの基本は「全流し」 でもそれが結論じゃない

馬はみんな頑張ってる。頑張ってない馬もいるけど

私は本気で横山典弘騎手が「世界一かっこいいダービージョッキー」だと思っている。

2024年のクラシック戦線で、ダノンデサイルの異変にいち早く気づいて皐月賞スタート直前に回避し、復帰初戦の日本ダービーで愛馬を世代の頂点に立たせる騎手をかっこいいと思えないなら、競馬のロマンを語るなとすら思う。

そんな過激派の戯言はさておき、氏のよく言うコメントに「馬は頑張っているよ」がある。

もしかすると頑張っていない時もあるのかもしれないし、馬は頑張っていても、騎手や陣営が頑張り切れていないのかもしれない。とはいえ、騎手も陣営も、基本的にみんな「どうやってこの馬を勝たせたらいいのか」を考えているはずだ。

馬は競馬で勝てなければ基本的にいい未来はない。先日のアウダーシアのように気性が悪ければ、一定の進路につくことは叶わない。

それが穴馬の話にどうつながるか。

どの馬も基本的には頑張っている。そして、ゴール時の差は決して大きくはない。どのレースを見てもわかる通り、結構紙一重で未来が変わる。

実力差が大きくなりやすい下級条件ならともかく、上級条件になってくるとどの馬も強豪だ。つまりどの馬も強いので、概ね勝つチャンスがある。仮に勝てなくても、3着に入るケースも普通にある。

だから理論上、上級条件ほど「穴馬」が激走する土壌は整っているともいえるかもしれない。

そう、いわゆる人気馬にも、穴馬にもチャンスがあるのだ。さらに言えば、外野で見てるだけの馬券購入者が勝手に決めた人気にどれほどの価値があるのかと思わないだろうか。

まずここがスタート地点になるし、私もこれを前提としている。

ポイント

・どの馬も基本的には頑張っている

・競馬のレースで、馬同士に大きな差は出にくい(特に上級戦)

 →「人気馬」だろうが「穴馬」だろうがチャンスがある

「人気」の取り扱い方

私が思うに「人気」になりやすいのは、おそらく「成績が馬券圏内で安定している馬」だろう。

わかりやすいのだと、生涯複勝率が100%の馬や、競馬新聞で◎がグリグリつくような馬。後者が過剰に人気になるケースは最近減っているとは思うが。多分。何分競馬新聞を買わないのでわからない。

ただ、人気になったところでそれは何の価値にもならないし(アイドル気質で人気者になりたい馬でもいない限りは)馬券購入にあたって人気がないに越したことはない。

しかし人によっては、人気があることに安心感を持つ者もいる。個人的には日本人らしい気質だと思うと同時に、哀れみさえ感じる。そこにはなんの安心感もないのに、何を呆けているのか、と。

反対に、人気がないからこそ穴馬を狙う者もいる。かつての私もそうだし、今も若干そう。

ただ、ここに関しては半分不正解で半分正解だと思っている。

というのも、「人気とは基準」だと思っているからだ。

「人気になっているから買う」は何の根拠もない。言ってしまえば私含めたSNSの胡散臭い競馬予想の買い目に乗っているのと大して変わらない。なぜなら、人気は大衆(=胡散臭い競馬予想家たち含めた馬券購入者たち)が勝手に決めたものだからだ。

反対に「穴になっているから買う」は若干ズレていると思うし、そこが主軸になりだすとドツボにハマった時に資金やメンタルを崩れやすくなるので身を滅ぼしかねない。

個人的にやっているのは「たまたま人気になっている馬から何頭買えるか。そしてたまたま穴になっている馬から何頭買えるか」という見方だ。

「たまたま穴になっている馬」が激走しそうになければ、基本的にそのレースはケンが安全。要は、レース選定の基準になるのが「人気」という考え方をしている。それ以外は配当を確かめる物差しか、前走はどれぐらい評価されていたのかを確かめるぐらいにしか使えない。

それでも人は「人気」を頼ることになるのだろう。その「人気馬」は、ちゃんと自分で確かめた「人気馬」なのかを自答した方がいい。

ポイント

・「人気」は「レース選定の基準」

・自分で確かめた「人気馬」にしか価値はない

→人が決めた「人気馬」はSNSの胡散臭い予想家の「◎」ぐらい信用ならない

「競馬の仕組み」と「着順」

じゃあどうやって馬を見極めたらいいのかを考える前に、まずは「競馬の仕組み」を知る必要がある。

ゴール板の前を最初に通り過ぎた馬が勝ち、日本なら3番目までにゴールした馬が馬券になるとかだ。

とりあえず聞いてほしい。

いやいや、そんなもん知ってるよ、てなるとは思うが、本当に理解できているのだろうか。

ちなみに私はここの原理を最近はき違えているな、と感じている。10年競馬しててそれはどうなん、て感じだが。しかも私はまだ理解しきれてないとすら思っている

勝つ馬ってどんな馬だろうか? 

そりゃ強い馬だろう、て人もいれば、上がりが速かった馬、逃げ切った馬とか色々あると思う。

じゃあ2着馬は? 3着馬は?

この辺りをしっかり言語化している競馬本はあまり見たことがない。たまに「人気薄って大体3着なんですよ」ていうのを見かけるぐらいか。ちなみにこれに関しては割と真をついていると思っていて、事実データを見ても、人気薄の馬ほど、3着数より2着、2着数より1着が少ない

先ほど人気はあくまで大衆が勝手に決めたものだ、とは言ったものの、人気のない馬ほど人気のある馬より力がない場合が多いのは確か。

力がなければ成績は落ちるから、人気薄がいけても3着になり、なかなか連対しないのは道理なのだ。

反対に言えば、3着ならありうる。

ほかにも例を挙げよう。馬柱を見ていて、上がり最速とか2位を連発して、掲示板をうろうろしてたまに3着になっているような差し馬、どこかで見かけたことはないだろうか。

わかりやすい例を適当に探してきたが、やはりいた。

https://db.netkeiba.com/horse/2022105695

こちらはディニテという1勝クラス馬だが、まさにそんな感じの馬だ。この手の馬は人気になりやすく、やはりここ4走は人気を集めている。でもこの手の馬は結構勝ち上がりに難儀する。

なぜなら差し追込馬はなかなか勝ち負けに加われないからだ。そして大体差して届かずの4着とか、前にいた先行馬をすんでのところで差して3着になりやすい。

そう、3着になりやすい馬というのはこういった「先行して垂れてきた馬」、「差して上がり最速の馬」が結構多い。実際そういう経験は多くないだろうか?

いわゆるそれ4になっている時、3着馬はなんだったか思い出してみてほしい。結構多くの場合がこのケースではないだろうか。

じゃあ、1、2着馬はどうか。この2頭の精査はそこまでできていないが、この2頭がマッチレースをしているか、1着馬が1頭で抜け出すかのどちらかが多く、3頭以上が横並びでゴールは上級戦でしかあまり見ないのではないか。

現状私が認識している「競馬の仕組み」はこうだ。これは知っていただろうか? 知っていても言語化できていただろうか?

こういう意識で馬券を組んだことは果たしてあるか。あるのであれば、「複勝率100%の馬だし、複勝買っとけば大体当たるだろ」みたいな買い方はやりづらいはずだ。なぜなら3着ってわりとなんでもありだし、1、2着に入る馬は勝つか負けるかぐらいの位置にいるから、実質単勝買える位置を複勝で買う羽目になるからだ。

ここまでを踏まえると、競馬には大きく2種類の馬が出てくる。

・連対する馬

・3着以下の馬

もちろん9着以上で賞金が、というのもあるので一概には言えないが、馬券絡みで考えればこの2種類でいいだろう。だから、穴馬にも勝ち負けになりやすいタイプの穴馬と、3着以下になりやすいタイプの穴馬、2種類が存在する。人気馬も同様だ。

こう見ると、馬柱の見方も結構変わるのではないだろうか。

そして着順に関してはもう一つ。

競馬は勝ちにいこうとすると3着にも残れないケースが多い。

馬柱や戦績を見ていると、【4-2-0-3】とか、【2-0-0-9】みたいな戦績の馬がちらほらいるだろう。この手の馬は得意パターンで強く、それ以外だとあっさりやられていることになる。

この手の馬を見ていても先ほどの連対かそうでないかの2種類にも説得力が増すと思う。勝ち負けになる馬というのは、連対するか、3着にすらならず大敗するかのどちらかになりやすい

1番人気馬なんかもこうなりやすいのだが、勝ち負けの馬は、「勝つ」「それ以上に頑張っている馬に敗れて2着」の連対ケースか、「不利を受けて進路作れず大敗」「早めに勝負を仕掛けた先行馬が息切れしてゴール間際で差される」「仕掛けが遅かった差し馬が差しきれず4着」の負けケースのどちらかが多い。

だからこういった戦績になるのだと思う。

もちろん3着でも勝ち負けに加わっているケースや、2着でも1着馬に離されてやってることは3着馬と変わらないケースもあるので、そういう時は着差を見て状況を知る必要はあるが、こういった仕組みを頭に入れた方がいいだろう。

軸馬のそれ4が多い人も、このケースに引っかかっているんじゃないかと思う。一度、それ4した馬の集計とか取ってみると面白いかもしれない。

ポイント

・多くの場合、競馬は「連対する馬」と「3着以下の馬」の2タイプの構図になる

→人気馬にも穴馬にもこの2タイプがそれぞれいる

・勝ちにいった馬は、連対しなければ負けていることが多い

得意不得意とリピーターの話

今年の冬重賞戦線は「リピーター」が活躍している。だから「リピーター」を狙えという風潮がSNSで見られる。

事実私もプロキオンSでサンデーファンデーを穴指名して馬券を取り、根岸Sの予想ブログでバトルクライを穴指名したりした(後者はなぜかケンしてしまい馬券は買ってないが)。

ただ、私はリピーターという意識で推奨したつもりは全くない。というかそれなら条件戦やらはどうすればいいのか、という話になる。

結論から言えば、リピーターを狙うこと自体は悪くないしむしろ推奨。ただ、あくまで結果論に過ぎない。

前述した通り、馬はみんな頑張っている。だからどの馬にもチャンスがある。そして上級条件ほど力の差が小さいので、より人気薄にもチャンスがある馬が眠っている。

こうなると、候補が多すぎて点数が絞れない、となるのだが、だから我々はこういう時に適性を見る必要があるのだ。

そしてこの適性は尖っていればいるほどいい。

例えばサンデーファンデーは京都ダ1800が得意で、プロキオンS戦前で3勝している。しかもうち1回はリステッド(ベテルギウスS)でのもの。さらに言うとこの馬、外枠の方が好績、ベテルギウスSも大外だった。おまけに冬の方が良績。京都ダ1800のプロキオンS、大外枠、冬と好走条件がそろい踏みだったのが、推奨理由だった。もちろん脚質も含めてはいたが、重賞を勝っているにも関わらず、なんでこんなに人気がないのかは正直理解はできなかった。

重賞は出てくる馬ほぼすべてが強豪。どの馬にもチャンスがあるし、実際実力差はそれほど大きくない。だからこそ、適性にあった馬選びが生きてくる。下級条件なら反対に能力重視でいいとは思うが。

バトルクライにしてもほぼ同じ理由。東京ダ1400の同クラス勝ちがあり、ここしばらくは斤量が重かったことや、休養明けなどが重なり適舞台が回ってこなかったのが敗因。それが今回は好転して斤量が軽くなった点が材料。もちろんリピーターも好材料と見たが、得意舞台かどうかも選考基準にしている以上、入ってくるのは当たり前だ。

割と根拠があって推している。穴馬の条件として挙げたいのは、

①同クラス、同舞台での勝ち鞍(特にオープン以上)

②季節、枠などの条件

➂初ブリンカー

④障害練習明け

などなど。ほかにもあるが、それは今後やる予定の穴馬記事や予想記事で掴んでもらえたらと思う。

ポイント

・実力が拮抗しているレースほど適性がものをいう

・重賞は出ている馬がどれでも強豪馬。だから穴馬にも十分チャンスがある

・穴馬を選ぶための適性にも色々ある

穴馬狙いの基本は「全流し」 でもそれが結論じゃない

色々語ってきたが、結局は「全流し」が穴馬狙いの基本となる。

なぜなら、「どの馬も頑張っていて、チャンスがあるから」。特に重賞なんて出るだけでも強い馬の証。流れさえ向けば下位人気が激走するケースなんていくらでもある。

そして3着にはわりとなんでも入ってしまうことは「競馬の仕組み」の件で話した通り。だから、3着にはどの穴馬にも入るチャンスがあると言っていい

つまり3連系なら3列目のみ全流しが有効ということになる。

いやいや、じゃあ穴馬選ぶ意味ねえじゃん、てなると思うのだが、それは違う。流し先の馬を一頭一頭見ていく必要があるのだ。

この馬にはどういう好走手段があるか、見ていく。どうしてもイメージがつかない馬は流しから消す。それを一頭一頭丹念にやる。わりと些細なものであれ、何かしら理由のある馬が残ると思う。そういう風に三連系を買えば、結構な穴馬をひっかけたりすることもあるだろう。これが「連対しない穴馬」の拾い方の基礎だと思う。

そう。この3列目は結構広くなって当たり前なのだ。特に当てようとしている場合は。

当てない意識の人間はこれを結構絞る。私もこのタイプ。お金があるなら広げていただろうし、シルクロードステークスのフィオライアまで普通に手が届いていた。なにせ買い目にその一個下の人気のオタルエバーを押さえていたし、実際フィオライアも終盤まで残っていた。

でもそれじゃ予算的に破綻する。だから、絞る必要があるし、買い方との相談にもなるのだ。

全体のまとめ

・どの馬も頑張っている

・上級条件ほど強い馬はそろい、実力差は小さくなりがち→下位人気にもチャンスがある

・「人気」は「レース選定の基準」であって、「買う根拠」には一切ならない

・競馬は「連対する」か「3着以下」が基本

・勝ちにいこうとすると着外に負けることが多い

・穴馬には「連対する」タイプと「3着に入る」タイプの2種類がいる

・実力が拮抗しているほど適性が大事

・3着には穴馬や差し馬がまぎれやすい。三連系の3列目は「全流し」が基本

今回はここまで。ここでは穴馬の選び方を書いたので、次にやる時は穴馬を絡めた買い方の話ができればと思う。

 

ライター名「夜桜 ほとり」

バイオテクノロジー系の分野で大学院卒業後、何を血迷ったのかSEに転身。でもなんか違うと思い、競馬メディアの編集に。現在は編集を脱退、馬を中心としたフリーの物書きとして活動中。

今週は特別戦を色々見ていて、穴馬になりそうなのも、そこそこいる雰囲気はある。せっかくなので穴馬推奨記事とか出そうかと考えている。

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Posted by yosakura