【宝塚記念】ルメール騎手が買えない! 押さえておきたい2つのデータと「偽装道悪巧者」
最近リーディング2位に浮上したC.ルメール騎手でも無理な時は無理です。考えてみれば当たり前の根拠もあります。
こんにちは、こんばんは、夜桜です。
宝塚記念はグランプリレースとして有名で、一部では非主流距離のレースとしても知られます。
主流距離とは、多くは1600、2000、2400mの400倍数距離のレースを指しますが、若干定義が曖昧。具体的なレースとしては天皇賞(秋)、ジャパンカップ、安田記念などが挙げられ、GⅠは大部分が東京のレースと言っていいです。
こういった東京のGⅠで猛威を振るっているのがルメール騎手。お手馬もやはり主流距離(条件)で強い馬が多いです。
競馬にある程度慣れてきた方ならイメージがつきやすいと思うのですが、主流条件で強い馬は多くの場合、非主流条件が苦手です。もちろんその反対もしかり。
そして宝塚記念はバリバリの非主流距離。水と油、月とすっぽんぐらいに東京コースとは真逆の力が問われると言っていいです。
となると、お手馬が主流条件で強いタイプが多いルメール騎手にとっては鬼門になっても不思議はありません。
それをデータで表したのがこちら。

さすがルメール騎手は国内芝GⅠで驚異の勝率20%オーバー、複勝率も46.9%をマーク。しかし宝塚記念は【2-0-0-7】勝率こそ自身の平均程度も、複勝率は22.2%にとどまります(ルメール比)。
この数値は同騎手の芝GⅠでは下から2番目(1番複勝率が低いのは朝日杯FS【0-1-2-11】複勝率21.4%)で、勝ち馬2頭もクロノジェネシス、イクイノックスといずれも単勝オッズ1倍台のド本命でした。
このレベルの馬でなければ馬券に絡みませんし、着外に敗れた馬はレイデオロやサトノダイヤモンドなどどちらかといえば東京、あるいは主流条件向きが混ざります。
今回のアーバンシックも東京向きと言われている通り、非主流条件では疑問符が付くタイプ。素晴らしい馬であることは間違いありませんが、クロノジェネシス、イクイノックス級とまでは現状いかないかと。
今回は思い切って消しでもいいかもしれません。
なんにせよ、ルメール騎手がこのレースで振るわないのは覚えておいてもいいでしょう。
今年はいつもと違う点に注意
データで押さえておきたいのはルメール騎手だけではありません。
そろそろメディアが騒ぎ出すと思うのですが、「過去10回の阪神開催の宝塚記念は8枠が6勝」という話。確かに過去10回(2014~2023年)なら着度数は【6-0-1-17】で誤りはありません。
しかし、出し方が明らかに間違えています。
関西の競馬場の改修でわかりづらいですが、宝塚記念は最近、開催2週目での施行となっています。1986年以降だと、同条件だったのは2000~2010年(06年は京都開催)、2021、22年。
つまり、過去10回だと今回と同条件で取れているのはたった2回しかありません。

開幕2週目だった年だけで見ると、8枠は12回中【2-1-2-23】勝率7.1%、複勝率17.9%でそこまで強くなく、むしろ3枠【4-1-1-14】勝率20.0%をはじめ内枠が良好に。
外枠は雨が降った時に多少走るかな、といった程度でした。データ好きの方は気をつけた方がいいでしょうね。
当たり前ですが、前回開催からそこそこ期間を置いた後の開幕週、開幕2週目なら普通に内が優勢です。
もう一つ気にしたいのは天気。雨量や現状の予報から稍重でとどまるかもしれませんが、阪神芝は水はけが悪いので、重馬場になっても不思議はありません。
こうなると道悪に強い馬を狙いたくなるものですが、一つ注意。今回、いわゆる「道悪巧者」は多いのですが、中にはソールオリエンスのような「偽装道悪巧者」もいます。
ソールオリエンスは良馬場以外ではすべて掲示板内、皐月賞は重馬場のなか最後方からごぼう抜きして勝利し、昨年の重馬場の宝塚記念も2着だったことから、道悪巧者と見る方が多いと思うのですが、私はこれに関して断じて否と言います。
そもそも、この馬は右回りのコーナリングが下手です。これは3歳時から常に課題として言われていました。実際、京成杯ではコーナリングで大きく外に膨れています。
これが「偽装道悪巧者」と深くかかわっています。
皐月賞、昨年の宝塚記念をよく思い出してほしいんですよね。4コーナーと直線でのソールオリエンスの動きはどうでしたか?
この馬、道悪で内がめちゃくちゃ悪くて大外が伸びる時に好走しているんですよ。


つまり、大外、それも外ラチの近くにまで出すから実質大回りになる=コーナリングのロスがなくなる。だから好走している。
そりゃある程度道悪自体もこなせるんでしょうけど、どちらかといえばコーナリングロスが減っている面の方が大きいと思いますよ。
ほか、稍重で掲示板に入った時も大外に出していました。ほぼ確定じゃないですかね。
で、今回はどうかというと、先週の馬場を見る限り内が使えている状況でした。多少雨が降っても皐月賞や宝塚記念のような極端に大外が伸びる、という状況にはならないと思います。そりゃ開幕2週目ですし。
ここからめちゃくちゃ雨降って、全馬内を大きく開けているよ、という状況にならない限りはコーナリングで後れをとるので、ぶっちゃけ用なしだと思います。ぜひ人気を吸っていただきたいですね。
- ルメール騎手は宝塚記念で苦戦(非主流条件が苦手な馬多い)→アーバンシックも苦戦?
- 8枠優勢は誤り(開幕2週目なので)→内枠が普通に優勢
- ソールオリエンスが道悪◎に見えるのは、コーナリング難が緩和されているだけ→今回ソールオリエンス割引
これらを頭に入れた上で本番に臨みたいところ。もちろん、当日の馬場次第ですけどね。
ライター名「夜桜 ほとり」
バイオテクノロジー系の分野で大学院卒業後、何を血迷ったのかSEに転身。でもなんか違うと思い、競馬メディアの編集に。現在は編集を脱退、馬を中心としたフリーの物書きとして活動中。
割と周りからは難しい、という話を聞く今回の宝塚記念。枠を見れば結構視界開けると思いますよ。今週は宝塚記念勝負のみに留める予定。函館競馬は様子見かな、といった印象です。
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