【初心者向け】競馬の手引き〜番外編・POGのススメ〜
前回の「競馬の仕組み」で、競馬はダービーが中心という話をした。
それと同時に競馬のスケジュールもダービーが起点にも終点にもなるということで、6月〜翌年5月での馬たちの歩みを紹介した。
これを手っ取り早く体験する方法が馬主になることである。
自分が所有する2歳馬(あるいは3歳馬)がデビューして運良く勝ち上がり、クラシックを目指す過程を見ていれば、自然とこの流れは見えてくる。
競馬初心者ほど、そして競馬予想をする人間ほど、やはり馬を持つのが一番競馬を理解できるはずだ。
しかし、馬を所有するにはお金がいるし、馬主になるにも今持ってるお金だけでなく継続的かつ多額の収入源がいる。
かく言う私も馬主になったことはない。私の場合は運良く兄が一口馬主(多人数でお金を出し合って一頭を所有する形式の馬主。クラブ馬主で多い)を少しやってた上に、なぜか私に所有する馬を80頭ほどから選ばされたりした経験があるぐらいだ。まあ成績は芳しくなかった。
じゃあ馬持てないじゃん、詰み! て話ではない。ありがたいことに世の中には「POG」という紙面上で競走馬を所有し、ダービーを目指すゲームがあるのだ。
POGとは、ペーパーオーナーゲームの略。netkeibaさん(競馬予想メディアの大手)などでも開催されている。
他の媒体はどういうルールか知らないが、netkeibaさんでは、今年デビューする世代の馬を最大10頭選び、その馬たちがデビューし、次のダービーが開催される日までの成績をもとにポイントを積んでいき、10頭が稼いだポイントを合計する。
その合計ポイントを他のプレイヤーと競うというゲームだ。
ポイントのルールは以下の通り(netkeibaさんから抜粋)
・入着(1着~5着)して得られた賞金の1万分の1が獲得ポイントになります。
・出走が確定した時点で出走ポイントとして10Pが加算されます。
・小数点以下は切り捨てとなります。
ポイントは賞金の1万分の1なので、実際にその10頭を持っていた場合、その1万倍が稼いでくれた賞金ということになる。
私の場合だとこんな感じ。

今年は過去一好調だし、ダービー出走予定の馬もいる。それぐらい調子良くても、稼いだ額は合わせて16290×10000=162900000、つまり1億6290万円である。
一見多額に見えるが、実際に馬を買っていたとしたら上5頭だけでも10億ぐらいしているので大赤字である。さすがに超高額馬2頭は重いね。
しかもここから預託料やら食費やらで毎月お金が飛ぶ。
馬主は基本マイナスになるので苦しいものだが(簡単に言ってるがマジで苦しいなんてもんじゃないと思う)、POGなら我々の財布に傷一つつかない。お手軽に馬のデビューからその先を見守ることができる上に、競馬の楽しみも増えてオススメだ。
馬を1頭でも5頭でも見定めて、デビューから追い続ける。おそらく最初は半分も勝てないとか普通にある。新馬戦や未勝利戦を突破するのがどれだけ大変か、POGをやっていれば身に沁みてわかるはずだ。
仮に1つ勝っても、そこからどの路線に進むかはその馬次第。気性(簡単に言うと馬の性格)が激しければ中距離を走り切ることが難しいので短距離やマイルに回ることになるし、ダートに行った日にはまあ賞金が稼げない(中央競馬のダートは高額レースが少ないのだ)。
しかし、昔自分が応援していた馬の子供が活躍すれば我々ファンは嬉しいし、初めてPOGに触れる方も他の馬よりは愛着が湧くはずだし、応援もしたくなるだろう。
毎週自分が目をかけた馬が出てくるのか楽しみにしたり、なぜその路線や競馬場が選ばれたのか考えたり、自分ならダービーを狙ってこういうレースに使ってほしいとか考えることが増える。
そういう「線で見る」癖がつくようになるので、予想力アップにもオススメだ。
馬の選び方
じゃあどの馬を選べばいいのか、という話になるだろう。
馬を所有する場合、その人がダービーを目指すのか、有馬記念を目指すのか、それとも重賞勝利を目指すのか、短距離やダートがいいのか、そもそも3歳ではなく古馬になってから賞金を稼いでほしいなど、人によって潜在的な目的が異なる。
馬体や血統、その馬自身の気性から当然最適な舞台が変わるからだ。基本的に今日の競馬においてダービーも有馬記念も短距離も、と全部のいいとこ取りは不可能。だから目的に応じて専門性のある馬を選ぶ必要がある。
これはほぼ間違いないのだが、じゃあPOGの大目標であるダービー向きの馬はどの子かと言われて答えられる人間はいない。というかそれができるならその人は競馬において神と言っていい。
あくまで言えるのは、こうなりやすいという傾向ぐらいだ。
POGで特に見ておきたいのは以下5つ。
・馬体
・生まれの早さ
・血統(個人的には特に母)
・馬体重
・生産者
個人的に一番重視している馬体は割愛する。こればかりは人の好みがある。いつだったかのパドックの注意点記事でも似たようなことを言ったが、私にとっての正解は他の人にとっての不正解であることも多い。見る人の目的によって正解も不正解もあるのだ。
それにダービーみたいな東京コースを得意とする馬は胴が長い馬体だったりするが、2歳時点で胴長でも逆に体を壊しやすい気がしている。ここは一旦好みにしてほしい。
生まれの早さは結構大事。馬は1月が早生まれ、5月だと遅い。小学生の同学年だと顕著だが、生まれが早い子の方が体は大きい傾向にある。馬も同じようなものと考えていい。特に短距離は馬格が重要なので生まれが速い方がベター。
ダービー付近の時期に開催される3歳短距離重賞の葵Sにも早生まれの方が成績がいいというデータがあったりする。別にオカルトではなく、ちゃんと理屈があるのだ。
血統も重要。特にPOGは若い馬しかいないゲームなので、当然晩成タイプより早熟タイプを選ぶ方が有利。どういうのが早熟かはもう血統を勉強してくれ、という話になる。
初心者にオススメなのは、お母さんが重賞を勝っている馬。そして、そのお母さんが産んだ子に実績馬が複数いること。ここを重視すると、勝ち上がる子を選びやすいと思う。
お母さんの血を引いて、強い馬が生まれる可能性が高い、という考え方である。
実際先ほど出した私のPOG指名馬の上位はそういう馬が多い。
馬体重はめちゃくちゃ大事だ。馬体重がなければ十分な調教が詰めないし、力も減ってしまう。
もちろん馬体重が軽いのにクラシックレースを勝つような馬もいっぱいいるが、軽いのと重いのとでは圧倒的に重い方がいい。傾向にある。
2歳牡馬ならせめて460はほしいし、理想を言うなら480を超えてほしい。
2歳牝馬は小さい子が多く、せめて430はほしい。450あればいいかな、という感じ。500もある馬はなかなかいないが、いればいいなぁと思う。
ちなみに馬体重が小さい子を指名して馬生を見守っていると毎レース馬体重の増減が気になるようになるぞ。430あったのが416になった日にはあちゃーてなる。私は一口馬主兄の所有馬がよくそうなってたので、反面教師にしている。
生産者、というかどこの馬かも大事。悲しいかな競馬は生産においてノーザンファームという団体がほぼ一強の状態になっている。
実際2歳馬の馬体を見ていてもこの大手にチェックがかなり偏る。下手すればここにしかつかないぐらいだ。
それぐらい強いところなのだ。最初はここから選ぶのがベターだが、個人的には日高の馬にも頑張ってほしいと思うし、ちょくちょくPOGにも入れている。そりゃ人類史が始まって以来、一強がよかった事象なんてそうそうないからね。
ちなみにPOG対象馬はどこで見たらいいの?て言われそうなので答えておく。私の場合は、こちらのGallopさんが出している丸ごとPOGが断然だと思ってる(下は2025~2026年版)。
さっき言った情報も大体載っている。何より馬体が山ほど載っていて、私は毛布やこたつ布団をコインランドリーで回しながらこれを読むのが毎年の楽しみにしているぐらいだ。
相馬眼(馬を見る目)を養うのにもちょうどいいし、ぜひGallopさんの POG誌を買ってみてほしい。少し先になるが、今月末には大体のコンビニに競馬新聞が置いてる区画に売られているはずだ。
ライター名「夜桜 ほとり」
バイオテクノロジー系の分野で大学院卒業後、何を血迷ったのかSEに転身。でもなんか違うと思い、競馬メディアの編集に。現在は編集を脱退、馬を中心としたフリーの物書きとして活動中。
※当サイトの記事で書かれている予想は、的中を保証するものでもありません。馬券は自己責任でお願いいたします。
新人の世話でのどが痛い。痛いぐらいなら潰した方がいいかもしれない。いやダメだ、競馬で叫べなくなってしまう。


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