2021年 エリザベス女王杯
こんにちは。こんばんは。夜桜という者です。
今週末の競馬について語ります。
エリザベス女王杯の事前予想もしますので、お読みいただければ幸いです。
エリザベス女王杯 予想印
御託はいいからまずは印を見せろという方が多そうなので、現状の予想をさらします。
◎アカイトリノムスメ
▲デゼル
△先行勢ウインマリリン、ウインキートス
△後方勢テルツェット、ランブリングアレー、?????????、アカイイト
☆レイパパレ
私の予想では、
◎:勝つ可能性が1番高い馬、あるいは馬券内に入る可能性が1番高い馬
▲:穴をあける可能性が1番高い馬
△:紐
☆:展開を左右するなどの理由で注意したい馬
このような基準で印をつけています。あまり対抗の〇はつけないです。
紐候補が多いですが、今後絞る予定。
特に今回は買い方が特殊になりそうだと思っているので、紐馬の買い方を工夫して点数を減らしたいです。
では、このような予想になった経緯など、つらつらと書いていきます。
とある忘れ物と2006年エリザベス女王杯の話
15年前。ウマ娘でもお馴染みのカワカミプリンセスという牝馬がいました。
彼女は当時、無敗でオークスと秋華賞を連勝。意気揚々とエリザベス女王杯に参戦。
昔は牝馬三冠の最後の砦だったエリザベス女王杯ですから、ここで勝てば、カワカミプリンセスも実質三冠牝馬と同等の称号を得られると言っても過言ではなかったでしょう。
待ち構えるは当時の古馬牝馬最強・スイープトウショウ。
出遅れ上等で、馬場入りを嫌がるわと、癖馬カウンセラーの池添Jも手を焼く我儘娘でした。
そんな現女王スイープトウショウと新女王候補カワカミプリンセスとの対決は、それはもうファンの胸を熱くしたでしょう。
レースとしては序盤から逃げ馬が飛ばしに飛ばし、前半57.4秒の超ハイペース。
ラップとしてはこんな感じ。
12.5 – 10.6 – 11.7 – 11.3 – 11.3 – 12.2 – 12.5 – 12.8 – 13.0 – 11.5 – 12.0
さすがに早すぎましたね。逃げ馬は息切れ失速。
結果として後方からやってきた馬達で馬券内を独占。
特に馬群をかきわけ、間から抜け出したカワカミプリンセスはとてもいい脚で伸び、外から来た2頭の追撃を振り切りました。
この外の2頭の内、先着したのはフサイチパンドラ。あの有名なアーモンドアイのお母さんです。
もう1頭はスイープトウショウ。内から伸びてきた馬をかわしてメンツを保った形でした。
ただ、古くからの競馬ファンの方々はご存知かと思いますが、このレースではイレギュラーが発生しました。
カワカミプリンセスの降着です。
直線で馬群をかきわけている最中に、ヤマニンシュクル、ついでに逃げ馬の進路を妨害していたのです。
特にヤマニンシュクルはこの妨害のためか競争能力を消失する故障が発生。
実際立ち上がりかけてるので、かなり苦しい妨害だったようです。そこから立て直して勝てる牝馬なんて、女帝エアグルーヴと、今年出走するウインマリリンぐらいのものでしょう。
というわけで順位は繰り上げ。
2着だったフサイチパンドラが優勝、3着だったスイープトウショウが2着になるという、実力馬達による名レースだったにも関わらず、後味の悪い決着となってしまいました。
この時のカワカミプリンセスの鞍上・本田優Jも、カワカミプリンセスの経歴に傷をつけたくなく、この年で引退することもあり、制裁金ならいくらでも払っていいから降着だけは勘弁してやってくれ、と懇願したそうです(引用 ”https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%82%”)。
誰にとっても後味が悪い結末となりました。
この2年後にカワカミプリンセスは、忘れ物を取りにいくぞとばかりに再度エリザベス女王杯に挑戦するのですが、リトルアマポーラに阻まれ2着。考えてみればスタート時にポルトフィーノが武豊Jを忘れていった時点でこの決着の伏線は張られていたのかもしれません。いやはや、あれは迷レースであった。
翌年も挑戦するも9着に敗北。そのまま雪辱を晴らすこともできず引退してしまいました。
このように、エリザベス女王杯には忘れ物を残したままの名牝が数多くいます。
わかりやすいのがアカイトリノムスメ。
お母さんアパパネは三冠牝馬の称号を持つ名牝でしたが、エリザベス女王杯に二度挑戦してどちらも3着と、結局ここは逃しています。
さて。前置きがかなり長くなりましたね。私も忘れ物を取りに行くことにします。
2006年のエリザベス女王杯に忘れ物がある馬が、他にもいるのです。
思い出してください。2006年エリザベス女王杯で逃げた馬を。前半57.4秒で駆けていった大逃げ馬。
そう、シェルズレイです。
シェルズレイ? 何か聞き覚えがあるような。そう思った方は彼女の娘を調べてみましょう。すると出てきませんか?
レイパパレが。
そうです。あの時の逃げ馬シェルズレイは今回出走予定のレイパパレのお母さんだったのです。
さらに因果は続きます。主戦の川田JはBCで遠征中のため騎乗不可能。ルメールJが代打に抜擢されました。
そしてシェルズレイのエリザベス女王杯の鞍上は……ルメールJ。
あの時の忘れ物は、レイパパレにもルメールJにもあるわけです。
そしてもう1つの忘れ物。それはカワカミプリンセスの降着により馬券内に繰り上がった、内差しの馬です。
彼女の名はディアデラノビア。エリザベス女王杯に2006年と2007年に挑戦して3着と4着。でもピンとこない? ならばその娘を見てみましょう。
娘の名はディアデラマドレ。彼女もエリザベス女王杯に二度挑戦し、9着と3着。惜しかったんですよね。こちらも残念ながら忘れ物は取りに行けなかったようです。
ここまで言ったらピンとくる方もいるかもしれませんね。
血は続くのです。どこまでも。
ディアデラマドレの子、その名はクラヴェル。
今年出走する、近走でも惜しい競馬が続く彼女が、親子3代に渡る忘れ物を取りにこようと参戦してきているのです。
しかも鞍上はカワカミプリンセスの後年の鞍上、横山典J。
これで燃えない競馬ファンがいますか?
私は燃えました。だから△の?????????にクラヴェルを入れる予定です。
果たして数年越しの忘れ物を見事取りにこれるのはどの馬か、非常に楽しみになってきましたね!
そんな熱い2021年エリザベス女王杯は、11/14 15:40から発走です。
受け継がれてきた想いを見逃すな!
三強比較
とはいえ、ロマンだけで競馬は勝てません笑
私は馬券師というよりはにわか競馬ファンの立場なのでロマン馬券も買いますが、しっかり予想はします。
この壮大なドラマを見続けるためにも、そしてその感動を馬券的中とともに噛みしめたいですからね。
というわけでまずは巷で話題の三強馬を比較してみましょう。
①アカイトリノムスメ
ようやく秋華賞を取って参戦してきた3歳牝馬。
春時点では府中向きの脚長のいい馬体だったのが、今では阪神内回りもこなせるようないい馬体になっています。
過去のレースを見ていても高速決着にも対応できるなど、馬自体も総合力が高いタイプで、大体の展開でも好走してくれそうです。
ローテーションも2006年に実質勝ってたカワカミプリンセスと同じく、オークス→秋華賞→ここと来ていてよさげ。やはり秋2走目というのも大きいでしょう。
というわけで今回複系にしろ、頭系にしろ、本命にするならここかなと思います。
②レイパパレ
一時はデアリングタクトを倒せるのではと噂されたほどの器でしたが、残念ながら秋華賞に間に合わず。
その後は連戦連勝でG3まで取ってしまい、挙句の果てには、大阪杯であのグランアレグリアとコントレイルを相手に逃げ切ってしまいました。
しかし距離に難があるようで、次走、阪神芝2200mの宝塚記念で3着、中山芝2200mのオールカマーでは4着と連敗しています。
距離が長いことに関しては陣営も認めており、それにも関わらず出走させてくるということはやはり策があるのでしょう。
東スポさんでもレイパパレはサイレンススズカ化する! という予想を出されていましたが、確かに大阪杯のようなハイペースで逃げるなら、レイパパレにも行ききってしまう可能性はあるかもしれません。ちょうど母親も高速で逃げているわけですし、ルメールJもあの逃げを思い出しているのではないでしょうか。
少なくともこの子は行きたがる馬で、普通に走れば2200mは長いタイプ。外からかぶされるのも嫌なタイプのようです。
特にオールカマーでは4コーナー前で外からかぶせられて早めに動かされたところもあります。
今回逃げそうなロザムールのペースに合わせてスローを番手で走っていれば、まくってくる馬に外からかぶされる可能性は高い。となれば近2走と同じ競馬をしていれば、同じことの繰り返しになる公算は高いでしょう。
となれば、自ら動いて、後ろの馬の脚を削りながら逃げる可能性はそこそこありそうです。
ただルメールJは、逃げはジョーカーだと言っているように、あまり逃げないタイプの騎手です。今回その切り札を切ってくるかはわかりません。ですが、15年前のシェルズレイと同じ戦法にサイレンススズカを足して、逃げ切る展開も見てみたい。そしてその可能性もそこそこあると思うのです。
結局は枠順次第になるでしょうから、ここでは可能性があるという見解だけで留めようと思います。
(11/11 11時時点投稿のbiz-journalさんより、ルメールJの「馬の後ろで脚をためる」との宣言があったため、ハイペース逃げ説は一旦取り消しとしています)
➂ウインマリリン
内回りの非根幹距離が得意なタイプで、去年のエリザベス女王杯でも4着。
忘れ物を取りに来ているのはこの馬もそうで、確実に実力をつけてきている今年なら大本命だろうと見ていました。しかし、ここに来て肘に痛みが発生しているそうで、出走はするものの、調教の動きも芳しくないようです。
普通に考えるならこの馬が本命なのですが、そういう事情であれば割引せざるを得ないと思います。
前走のオールカマーのパフォーマンスを見れば、買いたいのは山々なんですけどね……。
三強まとめ
・三強の中で安定して馬券圏内を取るならアカイトリノムスメ。
・頭に関しても、普通の展開ならアカイトリノムスメを本命
・ただしレイパパレがハナを切った場合の頭は難しい。
→逃げ切れるならレイパパレ
→逃げきれないならおそらくアカイトリノムスメ。
ただ、アカイトリノムスメの位置取りによっては怪しく、後方からの差し追い込みで波乱の可能性あり。
・ウインマリリンは体調的な面で難があり、本命視しづらい。それでも勝つならすごい根性。
ハイペース逃げの場合、脚をそれなりにためられる差し勢の台頭はよくあるのです。
2006年でシェルズレイが逃げた時も、差し追い込み馬で決着したのもそういうわけですね。
他、出走馬紹介
最後にその他のお馬さんの紹介をして終えようと思います。あくまで予想の参考程度にしていただければ。
買い目に関しては、枠順もまだ確定してないですし、今後Twitter(@Roseliafan000)で呟く予定です。
・ウインキートス
前走はインビタしてウインマリリンについてきて2着入線。
個人的には楽な競馬をしたな、という印象で、そこまで評価は高くないです。
特に今回は差し決着する可能性まである。買い方によっては抑えないですが、ロザムールが逃げて先行馬にチャンスがある展開になるなら、馬券内に入る可能性はある。
なんにせよ、枠順で色々行く末が決まりそうな1頭だなと思います。
買うならもちろん内枠希望です。
・テルツェット
2200mを走るのは初めてで、最長は2000mで3着。
前走は2ターン競馬を経験。あの時の函館の馬場は後ろが届くような馬場ではなかったのですが、ルメールJの見事なエスコートでクビ差で差し切りました。おそらく2200mもこなせると思いますし、末脚爆発となれば抑えたくなるし、高速決着にも強いタイプ。
ただこの馬出遅れるんですよね。しかも鞍上もゲートが苦手なデムーロJ。内枠を引かされて出遅れたらその時点でゲームセットしかねないので、なかなかギャンブルな馬かな、という印象です。
枠順はもちろん中から外を希望ですね。
・ランブリングアレー
前走のオールカマーでは7着と負けましたが、距離で負けたというよりは、位置取りの問題。レース後に戸崎Jが言っているように、もう少し前のポジションならチャンスがあったようで、となれば距離もそこまで苦にしなさそう。ヴィクトリアマイルのような高速決着にも対応できたり、前も後ろも行ける柔軟な馬に見えるので、抑えたい1頭です。
ポイントは枠自体よりは、馬の並びにあるんじゃないかなと思います。
・デゼル
前走はいつもと違い前につけて、直線で伸びず敗北。
川田Jは前でポジションを取る競馬がウリで、本馬とは本質的に合っていないと思います。ここで武豊Jに乘り替わるのは+。前走の挙動から、おそらく後ろで脚をためることに徹しそう。2200mもオークスも経験済みなので距離に関しても問題なさそう。
そもそも前走も本調子ではなかったようなので、人気を落とす今回は狙い目ではないかなと考えられ、そういう理由で▲と評価しています。
枠は内枠以外ならどこでも、と思います。
・クラヴェル
忘れ物勢。ただ、ここまではハンデ戦の軽斤量状態で3戦連続馬券内に入れてるだけで、斤量が重くなる今回はどうか、というところ。また、3勝クラスも勝ち上がっていない状態なので、だいぶ格上挑戦なのも否めないですが、親子3代のロマン的な理由からも抑えておきたい1頭。実際上りも早いですから、全くチャンスがないわけでもないです。
・アカイイト
前走は府中牝馬Sで7着と敗北していますが、これは出遅れて行き足もつかなかったのと、直線で大外を回した影響です。上りも毎回上位3位内には入ってくるぐらいの末脚自慢。差しが来る展開ならチャンスがありそうということで抑えたい1頭です。
以上です。
長くなりましたが、多くの競馬ファン、競馬に興味を持ち始めている方々に読んでいただけたらいいなと思います。
それでは皆様よい週末を!
by 日曜は引きこもって競馬する予定の夜桜 ほとり(2021.11.11)
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