「夏は牝馬」は正しいか? 徹底検証の結果「新傾向」発見!

2025年7月2日競馬

結論から言うと、「夏は牝馬」は正しいです。ある期間を除いて

こんにちは、こんばんは。夜桜です。

夏競馬には様々な格言がありますが、そのなかでも特に有名な「夏は牝馬」を徹底検証します。

おそらく「日本初」のなかなか面白い事象を発見したので、紹介したいと思います。

なお、牝馬の複勝率などデータは、targetを参照にしています。

夏の牝馬はどれぐらい強いか?

まずは前提のお話から。そもそも牝馬が夏に強いのかどうかを見ていきます。

牝馬の月別成績を出しました。

芝ダート合算ですが、牝馬はやはり芝よりダートで強い傾向(牝馬しか出てこない牝馬限定戦を除いた成績)。

牝馬はやはり暑い時期に露骨に好走率が上がり寒い時期には成績が下降する傾向にあります。

※以下は牡馬、セン馬の成績。牝馬がいい分、牡馬、セン馬は夏の成績が低め。もしかすると→夏バテ?

もともと牝馬は複勝率からして牡馬より5~8%低いようですが、夏なら互角になります。この辺りが「夏は牝馬」というイメージの要因になっているのかもしれません。

ここまではイメージの話。ポイントになるのはここから。

なぜ牝馬は夏に強いのか」を考えた時に私は斤量だとかその辺りが関係しているのかと思い、データを見たのですが、あまり斤量に傾向はみられませんでした。

次に考えたのが北海道の競馬場が得意なのでは? という点。夏だけ開催される北海道の芝と相性がいいのであれば納得よね、と思って競馬場別成績も確認したのですが、各場で大差なしでした。

少し考えた結果、思い至ったのは気温。牡馬はバテやすくて、牝馬はバテにくいのかな、と。以下は牝馬の月別成績と平均気温の推移を出したものです。

なお、気温は以下を参照。計測場所は東京都です。

https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662

夏に好成績になるだけあって、気温の上昇とともに成績が上がるのはそりゃそう、て感じ。ただ、個人的には8月は7月より成績が落ちているのが気になったんですよね。

暖かければ暖かいほどいいのであれば、気温のピークが来る8月が一番成績がいいのが自然なハズ。でもそうなってない。とすれば、8月は牝馬も夏バテしてしまうんじゃないかという仮説が立ちます。

また、9月も成績がいいことから、牝馬には成績が良くなる気温の範囲がある可能性も考えられます。

昨今は地球温暖化でだんだんと気温が高くなる傾向。熱くなりすぎてはダメとなると、いずれは「夏は牝馬」が崩れる時代がくるのかもしれません。

以下は2001年以降の平均気温(東京)と牝馬の複勝率の推移です。2001年からにしているのは、2000年まで牝馬の斤量が軽かったからです。7月、8月、9月がこちら。

こうやって見ると、そこまで相関があるかは若干微妙かも。ただ、8月は年々複勝率が下降しているのは間違いなさそう。

平均気温はだんだん高くなってますし、あまり暑すぎると成績が落ちるという見立ては合っていそうです。

また、9月の成績を見るに、23℃辺りの年は成績が安定している印象。暑すぎず、寒すぎずがいいんじゃないでしょうか。

もう一つ重要なのが、最近8月より明らかに7月の方が成績がいい点。気温が上がってきたことも要因なのかもしれません。これからは「夏は牝馬」というより、「7月は牝馬」になってくるのかもしれません。

つまり、今が買い時となります。

今後はどうなるのでしょう。あまりに暑くなってきたら、オークスの時期が最適になる、という時代もいずれやってくるのかも……? そうなったら、夏競馬自体が安全面から廃止になっているかもしれませんが。

というわけで、「夏は牝馬」の考察でした。

本来ならこれらの資料から、牝馬が走りやすい気温を調査するのがいいのだとは思いますが、それはいずれまた。

 

ライター名「夜桜 ほとり」

バイオテクノロジー系の分野で大学院卒業後、何を血迷ったのかSEに転身。でもなんか違うと思い、競馬メディアの編集に。現在は編集を脱退、馬を中心としたフリーの物書きとして活動中。

最近の夜桜家では牡馬の私が割と元気ですが、嫁の方がバテ気味。牝馬は暑すぎるとダメ、という説は案外人間にも当てはまるかもしれません。普段は私の方が夏にバテる傾向だったんですけどねえ……。

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Posted by yosakura