北海道ツーリング9日目『海と別れ』
せっかくのベッドなのでもう少し寝たいところだったが、目が覚めたのは朝の3時頃だった。体的には長期間旅に向かないな、とつくづく思う。
布団で休息しつつ、朝には湯心亭という温泉に徒歩で向かった。ニセコ旅物語から近いのだ。

1200円とお高めだが、露天風呂は格別。今までに入ってきた露天風呂で1番好きなタイプかも。真ん中に屋根がついてて、その下に岩が設置されている。とても入りやすい。雰囲気もいいし、寒い時期だとより幻想的な風景が見られそうだ。
ちなみにニセコはやっぱり高い。泊まっていたニセコ旅物語にしても、素泊まり4000円ぐらい、私の場合個室にしたので、さらに700円プラスしていた。ライダーハウスにしてはかなりお高い。
代わりに施設は問題なく、冬でも暖かそうだったのが加点要素だ。しっかり毎回シーツを変えているようだったし。
飲める温泉を楽しんだり、湯心亭の休憩室でパンを食べつつリラックス。
この後8時から洗濯して、荷物整理してから出発だ。
今日の夜には小樽から船に乗る。ラストデイ。小樽についたらゆっくりする予定だが、それまではパノラマラインから北西を通る予定にしている。
ご飯所は昨日旅物語でライダーさんやオーナーさんたちとの駄べりの中で情報を集めていて、特に昼の寿司屋は楽しみ。
ライダーさん達のバイク撮影会(ライダーハウスあるある。みんなバイクのことめっちゃ詳しいし、バイクのこと大好き)、オーナーさんとの駄べりもしながら過ごし、9時半に出発。もうこの時点で暑い。


この旅は全体的に晴天の下進んだ。濡れたのは3日目の山頂付近だけで、霧のせいだった。雨にはあっていないので、かなり運が良かったかも。
気温は北海道とはいえ最高30℃ある。スキー場で知られるニセコでも28℃なんだからほんとに暑い。20年くらい前はまだマシだったらしいが……。
パノラマラインを上って、山頂付近で神仙沼の駐車場に着いた。

ここでは神仙沼に行く方と、展望台に行く方に別れる。
あと駐車場ではアイスが美味しいらしいが、もう北海道に来て何回食ったかわからん。もう食べないぞと思いつつ、まずは神仙沼の方へ。
1kmぐらいハイキングルートのような道を歩き、ようやく神仙沼に着いた。どうやら山道から登山でやってくる方もいるようで、様々なルートがあり、日本人旅行客が多かった。



外国人さんはこの手の観光地までは来ないのかもしれない。
あと虫がめちゃくちゃ多いのもあるか。そして暑いし遠いし。駐車場に戻ってきた時には汗だくだった。

展望台からの景色も見てきた。こちらは200mくらいの道のりでまだマシ。向こうはもう日本海側で、今日行く街並み、海岸線もうっすら見えている。
楽しんで戻ってきた時にはアイスを食わざるを得ない状況に追い込まれていた。

半袖シャツが汗だくで大惨事だったしww
なお、アイスはめちゃくちゃ美味かった。
生きた心地がしない絶景 神威岬
汗が引いてきてから出発。ここから日本海方面に出て、海沿いに小樽に向かう。風が強くなければいいが。
北海道に来てからというもの、海辺は大体強風に煽られていた気がする。
ゆっくり山を降りた後、街路に出た。結構寂れた漁村のようなところと勝手にイメージしていたが、岩内の付近はそこそこ栄えていた。ここから北上し、神威岬を目指す。
昨日ニセコ旅物語に宿泊した方は、神威岬は強風すぎて引き返したと話していた。今日の感じだとそこまで酷くはないと思うが。写真を見る限り結構キレイなところだったので、楽しみは増す。
急な斜面を上り大きな駐車場に出た。広い。観光客は多いが、外国人は少なめ。そのあたりは好感を持てた。

岬までは徒歩30分程度。思ったより遠いな。さくっと行きたいが、なかなか際どい道を通るようで、もっとかかりそうだ。
まずは高台から写真。この時点でなかなかきれい。


さくっと話してはいるが、この高台なかなか高くて上るのも一苦労している。さっき引いた汗がまただくだく出てきた。私のようなデブには優しくない。
シャツは背中に張り付いているし、この時点で夕方に銭湯へ行くのは確定だ。
そこから女人禁制の門、展望台、岬へ向かう。


道は細いわ、対向に人がめっちゃいるわ、下を見れば結構シビアな光景だし(特に鉄板の下のガケが見えてるポイントとか)、風もまあまあ強いと、生きた心地がしない。特に私はヘルメットとポン吉で両手が塞がれていたし。
そりゃ強風なら閉めることもあるわな。ポン吉を連れてきたのは失策だった。というか暑い。
代わりに写真はたくさんとった。
サンゴも見えるし、一瞬沖縄かと錯覚するほど海がきれい。北海道にもこういうところがあるのは発見だ。
命からがら帰還して休憩。食堂で軽く食べるのもいいかと思ってメニューを見に行くと、ウニが有名なようで、そこそこ推してくる。
どれぐらいするのかな、と値段を見るとなんと7000円もした。
コースとかでもなく、ウニの定食1つで7000円もする。ぼったくりか、桁を間違えたのかは冗談としてさておき、おそらくガチのヤツはそれぐらい価値があるのだろう(それか海外旅行客用の値段なのか?)。
カツカレーの値段を見ても1200円と多少高いが、ほかの店でなくはないぐらいだし、多分ぼったくり店ではないだろう。多分。
この金額出すならウニ以外も食べたい。というか寿司食いたいと思い、さっさと出ることにした。
トンネルをくぐるとその先は……
まずは文章に行かず、こちらの動画をご覧いただきたい。約1分とちょっと長いが、何も事前情報を入れずにこちらを見てほしい。
かの有名な「雪国」のように、トンネルを出た先はきれいな海だった。このシチュいいよねぇ。
ここは先ほどの神威岬から北にある島武意海岸展望台というところ。私は行っただけにはなったが、風景を楽しむならこれだけでも割と満足できる。
今回のブログでも度々出しているが、たまに動画も撮っている。実際に歩いたらこんな感じ、というイメージを持ってもらいたい、と思って。オカンに見せたいもんね。
ほんとはインカムにカメラつけたかったんだけど、そこはちょっと足りず。次に来る時はつけたいよねぇ……。クリークに乗って走っている時、絶景を何回見たかわからん。停まれないパターンの方が多いからなあ。それに、走っている時だからこその絶景もあるんだよね。
北海道に行く方はアクションカメラの着用を義務付けたいレベルだ。
北海道で寿司を食べないと死ぬぜ!
展望台を出た時刻は15時前。そもそもアイスクリーム以来何も食ってない。もっと北海道のもん食べたい。
よくよく考えるとこっちに来てから食った北海道っぽいものって、にしんそばとイカゲソ、豚丼、メロン、味噌ラーメン、サーモンの海鮮丼あたり。特に後半は大したものがない。
最後に美味しいもの、と考えついた先が寿司屋だ。それがここ、余市番屋。

小樽から西にバイクで20分ぐらいの距離にあり、場所もちょうどいい。しかも千歳空港から電車でも行ける。
ちょっとお高い回転寿司屋で、とにかく美味いらしい。ニセコ旅物語のオーナーが言うんだから間違いない(謎の信頼感)。
まあ北海道の食べ物って基本ハズレないけどね。なんでも美味いよ。以前飛行機で来た時も北海道の寿司屋に入ったけど、めちゃくちゃ美味かった覚えがある。
寿司屋について着席。コロナ禍を彷彿とさせる、ネタが回ってこないタイプの回転レーンが出迎えてくれた。今はオーダー制のようだ。
オーソドックスな玉子だとかはどこでも食えるので置いておいて、北海道でしか食べられなさそうなものを中心に頼んでみた。
まずは貝類とオススメ皿、マグロ系。

とれたてのサーモン、しらす巻き、えんがわ、そしてニシン。




寿司ッ! なんでこんなに美味いんだッ!
どれもめちゃくちゃ美味い。どのネタも厚みがあってぷるっぷる。食感はもちろん期待以上の満足感で幸せな気持ちになれる。やはり獲れたて新鮮な寿司に勝るものはそうそうない。
特にサーモンは絶品で、間違いなく今までに食べたサーモンの中で一番美味かった。日替わりで今日はこのネタ、というのもあるらしい。
まあハズレになることは絶対ないな。どのネタもほんとに美味しかったし。これだけのために旅行にいってもいいレベル。今度、オカンや嫁を連れてきてもいいんじゃなかろうか。
別れ
大満足のなか、ゆったりクリークに乗り、ガソリンを補給して小樽のフェリー乗り場へ。


駐車してから荷物を整理。土産物を入れるスペースは旅を通して意識してきたので、問題ないはず。色々捨ててきたからなぁ。
下着とか靴とか。下着に関しては持ってきすぎた感はある。捨てるならいらないということだし、行きの荷物は減らせたかも。
その辺の荷物事情は特に動きがない10日目のブログで書くことにする。何が不要で、何があれば良かったかも書いていく予定だ。
整理後、徒歩でルタオに行き土産物を物色。嫁に、オカンに、嫁のご両親に、あと新職場用。結構な数になり、諸々合わせて1万円ほどかかった。

オカンに関しては3種類あるしなぁ。色々食ってほしい、て気持ちが強すぎた。
クリークのところに戻って土産物を詰めたあと、後ろでバイクを停めていたおじさんと話していた。やけに軽装備だったので気になったのだ。
その方は野宿勢で、今回で北海道ツーリング40周年。今年70歳を迎えるという大ベテランさんだ。しかもバイクは4、50年もの。すごく古い。部品があるのかも怪しいように見えたが、上手く工面できるそうだ。
野宿は熊とか大丈夫なのかと思うが、大丈夫な場所をしっかり選んでいるらしい。
本当は今年で北海道行き引退と思っていたらしいが、人と約束があり、来年も結局行かないと行けなくなったそうな笑
北海道という土地は我々を惹きつける。私自身も、これが最初で最後になるかもしれない、と思ってきたのだが、また行きたいという気持ちが強くなっている。
この辺りのことも10日目でまとめる。
ベテランさんと別れて銭湯のオスパへ。ここはフェリー待ちのライダーさんがよく来るそうだ。
実際、風呂から上がってコーヒー牛乳を飲んでいると、行きのフェリーで一緒になったおじさんライダー達と再会した。まさか帰りの日程まで同じとは。
まあ、これにはちょっとカラクリがあって、明日、明後日と北海道は雨が降るらしい、という背景があった。
今日の便で帰ると決めたライダーは多かったようで、乗船したライダーもそれなりに数があった。当日でも乗船券取れるのも大きいね。来年からはどうなるかわからんけど。
その後、クリークのところに戻り、他のライダーさんと駄べっていた。旅の話、本州のここがいい、という旅情報をいただいたり。そうこうしているうちに乗船の時間になった。
クリークを船内に入れたあと、私はデッキへ。


北海道が離れていくまで、ずっと潮風を浴びて大地を眺めていた。本当に色んなことがあった。
もう終わりか、と思うと同時に色んな感情が出てきて、少し涙が出た。
楽しいことがたくさんあった。一方で、辛いことも、苦労したこともあった。色んな人に出会い、色んな道を走って、壮大な景色に圧倒され続けた。
でも「まだ行ってない場所多そうだし、次に来た時の楽しみがたくさんありそうで羨ましい」とはSさんにのちのち言われたこと。
そう、北海道にはまだまだ魅力がある。いつになるかはわからない。来年かもしれないし、案外早いうちにこれるかもしれない。
いつか、またここに来るんだろう。
また行こう。北の大地にいつまでも手を振り続けた。
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