北海道ツーリング6日目『再会とあたたかみ』
北海道に来てから目が覚めるのが早い。この日も3時半頃だった。睡眠時間は4時間半だったが、ぐっすり眠れたし、時間的にはいつも通りぐらいの睡眠時間だ。
こっちにきてからだいぶ早寝早起きになったと思う。いつもは遅寝早起きだけどね。
ケチくさい性分なので、早く起きて色々行きたいのだ。ただ、体力的に厳しいのはあるし、無自覚に疲労が出ているとまずい(今のところそういう予兆はない。長時間乗ってるとお尻が痛くなるぐらいか)。
朝飯はカレーメン。家から持ってきてたけど、ライダーハウスやテントで食いづらく(これの残り汁が残ってると熊が寄ってくる)、札幌ならマシと考えてのチョイス。
正直言ってずっと邪魔だったので、非常食ならカロリーメイトとか缶詰のがいいかも。私はとりあえず昨日カロリーメイトを買っておいた。
朝7時に宿を出て、荷造り。というか荷縛り。
初日から課題だった「リュックサックどう運ぶ」問題は4日目には解決していた。ただ、でかいカバンには、前方にズレてくるという問題があった。多分シートが前に傾いているからだと思う。
これに解決の糸口を作ってくれたのがヤドカリの家のオーナーさんだった。現在はでかいカバンの上にリュックサックを載せて、ロープ3本で縛り、でかいカバン自体の安定には、底面からロープ1本で後ろに引っ張る形をとっている。
これでかなり安定するようになった。縛り方ひとつとっても、旅が続くたびに進展が見られる。
今日は札幌の友人とのタンデム旅。ばんえいは断られてしまったが、このままでは私がもう一つのヘルメットを持ってきた意味がガチでなくなってしまうのもあって、半ば無理やり提案した。
行先は日高、新冠といった馬産地。最終的には優駿メモリアルパークで引き返す予定だ。
そもそもこの友人Dはバイクに乗るのが初とのことで、距離を控えめにしている。そうでなければえりも岬まで行っている。
荷物を友人宅に置かせていただいて出発。特に問題が起こることなく馬産地に。どの子も芝生を食むか、寝転がるかしていた。天気は昼前まで曇りだったが、12時頃には晴れ出したので、気持ちよかったのだろう。

見ているだけで癒された。どうやら最近馬インフルエンザが流行ったようで、牧場見学は自粛期間だった。馬の健康が第一なので、遠くから眺めるだけに留めた。


メモリアルパークは1頭あたりの展示量が凄まじい。しっかり見てからアイスクリームを食って帰路に着いた。
途中の鵡川では牛丼を食い、嫁のご両親向けにししゃもの昆布巻きを購入。どうやら一番人気のお土産らしい。酒のつまみにでもなればいいが(2589円)。
札幌で友人を下ろしたあと、リュックとカバンを回収、シートに付けた後、宿へ出発した。
場所は雪月花廊。最近リニューアルしたそうだが、北海道のライダーハウスを調べると大体オススメされる宿だ。みどり湯で話したSさんと17日にここで再会するかも、という話をしていたので、先乗りしておこうという魂胆。
16時に札幌を出発したのだが、うち半分は札幌の渋滞にもっていかれた。正直いってここまでの旅程を楽しめるタイプのライダーは、札幌を走らない方がいいだろう。札幌民には申し訳ない限りだが、歩いて回る分には良好の街も、バイク乗りにとっては割引が大きいと言わざるを得ない。
少なくとも私は二度と札幌をバイクで走りたくない。
札幌のバイク乗りで印象に残ってるのは、たまたま信号待ちの時に隣り合わせたスズキ乗りのおじさんに声をかけられたことぐらいだ。ああいう方が多いのが、北海道の魅力でもある。
そんなこんなで、山道を通って宿へ。景色のいいところで、インカムにカメラつけとけば……と割と後悔。これは北海道旅行全体でずっと思っていた。

道中の温泉に心惹かれつつも走り、無事宿に着いた。見るからにトトロのサツキが通ってたような校舎。雰囲気が良くて、すぐ気に入った。



受付に入ると、会員証を作ることになった。

有効期限は「旅を辞めるまで」。素敵だよねぇ。
バイクから荷物を下ろしていると喫煙してるライダーさんがいたのでなんとなく話しかけてみた。こっちでライダーハウスに何件かはしごしてたら、ライダーさんに話しかける難易度が割と下がる。ガチの人見知りにはハードルが高いかもしれないが、そうでないなら積極的に話しかけるのがオススメだ。
切り出し方は、「どこからいらしたんですか?」とか「今日はどちらまで行かれたんですか?(どちらまで行くんですか?)」のどちらかでいい。
それかバイクに詳しいなら、バイクの話から入るのもいいだろう。もうこれだけで向こうからたくさん話してくれる。
だって旅の話したいもんな。わいもそう。それでしっかり話を聞いて会話のキャッチボールをしていれば自然と話は弾んでいく。気づいたら10分くらい立ち話していることもざらだ。
今回のおじ様ライダーは、函館から北上したそう。私が結構移動しているのを聞いてそれは大変だったでしょう、て話してくるので、そうなんですよー!て笑いながら答える感じ。旅してる感がすごいな、と自分でも思う。
それで、この宿に来た理由の話になって、実はここで17日に会う予定があるライダーさんがいるんですよー、て話してたところで、奥から声をかけられた。
「いやー、待っていたよ」
「え、Sさん……!」
驚いた。Sさんも15日からここに前乗りしていたらしいのだ。こんなことがあるのか、と思いそうなものだが、北海道旅行ならありうるんよなぁ。
しばらく話して、また明日話す機会もあるだろうからと解散。というかすでに時間は20時前で、就寝の時間も近かった。

しかも私は道中でパンは買ったものの、量が足りず空腹になるのは明白だった。山中ではあるものの、10km戻ったところにコンビニがあるのは確認していたので、そこまでバイクを飛ばしてご飯を買ってくることにした。
夜の北海道は道路の上の電灯(これまでの写真にもいくつか入っていたと思うが矢印型をしている)が光りはするものの結構暗い。これで動物とか現れたらかなり危ないので本当に走らない方がいいだろうな。
往復20分で帰ってきて、まずは風呂に入った。これが普通の家の浴室に見えて、浴槽はヒノキだった。あれヒノキだよな?
ゆっくり入って満足して、それからは飯。パンふたつを食堂に持って行ってゆっくり食べた。運営さんたちのご厚意でいただいたスープに、あたたかみを感じた。

一生忘れないめちゃくちゃ美味しい味がした。こういうあたたかみが北海道旅行の1番の宝物。2番目はライダーさんとの歓談だが、それも「あたたかみ」あってのものだ。

こちらはこの宿のハナちゃん。なんか猫好きなんすかね、ライダーハウスって。
敷布団の上に寝袋を敷いてそこに入るとあっという間に寝落ち笑
25時に目が覚めてから、まだ電灯がついていて眠れそうにないから、とりあえずブログ用のこれを書いている。
明日は休息日の予定。軽く支笏湖と室蘭、洞爺湖を回って温泉に入ったら、雪月花廊に戻ってテントを張る。
荷物も置かせてもらえるそうなので、久々に身軽な装いで走れる。ありがたい話だ。
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